梅花の茶園
HP(梅花の園にてティータイム)の更新日記や、BL・JUNE作品・ライトノベルズ等の感想や日々の徒然を思いつくまま書いております。
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『甘い生活』 木原音瀬
甘い生活木原音瀬 / 石原理
オークラ出版 アイスノベルズ
838円 (ISBN4-87278-866-4)
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【あらすじ】
 家庭教師のバイトを始めた清隆の生徒は、不登校の子供だった。本を読む以外に反応を示さない文和に、とうとう清隆は切れて、欲望のままに押し倒してしまう…。
 ――少年と青年の微妙な心の関係を描いた「甘い生活」。高校生に成長した文和が恋に悩む姿をつづった「口唇エレジー」。そして、二人のその後えを描いた書き下ろし「太陽がいっぱい」等3本を収録。
 木原ファン待望の作品がついにノベルズ化!!

【感想】
『甘い生活』
 藤井清隆は自分の女性に興味が持てないという性癖を自覚しつつ、好きな男性が出来ても、振られたり周りに言いふらされる事を想像するだけで消極的になり、いつも片思いどまりで、また男性的な荒々しさが苦手な大人しい男だ。
 そんな藤井だが大学一年の時、友人の紹介で家庭教師のアルバイトをすることになる、が…訪れた家で待っていたのは引き籠もりで自閉気味な小学四年生の三宮文和だった。
 文和は一日中、部屋で本を読み話しかけても返事をすることもない、そんな子供に勉強を教えろと言われても意思疎通も出来ない日が続き、バイトを辞めようと思っていた矢先のある日、家人が留守になった時、ふとした切っ掛けで藤井は押し込めた衝動を爆発させてしまい、気が付いた時には文和を強姦していて…。
 理性が戻り、自らのした事に恐れ戦く藤井だが、文和は周りに訴えず…罰せられる事がなかった藤井は、文和の甘さに何時しか罪悪感も薄れ、関係を続けてしまい――。


 犯罪のお話です。
 これ、よく書籍化されたなぁ…と言うのがまず感想。
 あとは藤井と言う男が何とも酷い男です。
 藤井視点で物語りが進んでいくので、藤井の心理がよくわかるんですが、まったくもって酷い男でした。
 木原さんは、こういう人間の屑の様な人物を描かせるとピカイチだと思うんですが、それにしてもコレは…相手が子供だけに…生理的に厳しかったです。
 このお話、続編が書かれているので、そちらがあってまだ受け入れられる、そんなお話です。
 最後の文和が中学一年と成長して、形勢が逆転し文和が藤井を組み敷いて、藤井の口にコインを入れるシーンは暗示的でした。
『口唇エレジー』
 三宮文和は中学に入った頃から背がぐんぐんと伸び始め、中学三年の時には180cmにもなった…部活動のバスケットをするには有利な身長も、好きな人には嫌がられる…。
 文和が好きな人、藤井清隆とは文和が小学四年、藤井が大学一年の時に家庭教師に来て以来、肉体関係にある…。昔は文和が藤井に抱かれていたが、中学一年の時に、藤井が家庭教師を辞めてからは文和が藤井の事を抱くようになり、またそれまでは藤井が文和の家に来ていたが、今では火曜日と金曜日に文和が藤井の家に通うようになっていた…。
 何時も邪険な態度を取る藤井のことを、それでも慕う文和だったが――。


 『甘い生活』の二年後。
 文和視点でのお話だったので、前作ではよく分からなかった彼の内面、生い立ちからの人物形成がよく分かり、親の愛情を知らずに、自らの感情の表現力が不自由な文和にとって、最初は乱暴からであっても、一番近くに触れてきた藤井の温もりに執着する事は、とても自然に感じられ…。
 一方で、文和が一途に思いを寄せる藤井は、最初の関係を藤井の方から持ったにも関わらず「好きな人が出来た」「お前は嫌だ」「自分にはもっと大人の恋人が出来るはずなんだ」と文和に対して身勝手な発言を繰り返す藤井は、相変わらず酷い男でした。
 そんな藤井に対して一途な思慕を向ける文和は、最初の関係を持ったのは藤井だし、抱けば喜ぶから自分の事も好きなんだろう…と子供らしい素直さで思い続ける所は切なかったです。
 結局「甘い生活」と同じく、藤井が酷い人だった事には変わりないんですが、そこに前作では今イチ読みとれなかった文和の心理描写が作品に厚みと切なさが加味されたと思います。
 色々と悩んだ末に、文和が出した答えが印象的でした。
『太陽がいっぱい』
 三宮文和は、一年かけて考えた末に藤井清隆の事を「好きだ」と自覚し、その思いのままに藤井の家に住み着いてしまう。
 そんな文和を最初は邪険にしていた藤井だったが、何時しかそんな藤井の気持ちにも変化が現れてきて――。

 
 『口唇エレジー』の一年後。
 再び藤井視点でのお話。一年ぶりに藤井の前に姿を現した文和に対して、最初は全く愛情を感じなかった藤井が、暫く会わないうちに「男」の体になっていた文和の事を意識し始めて…。
 どれだけ邪険にされても、蔑ろにされても藤井の事を一途に思う文和と、そんな文和の事を次第に好きになっていく藤井…。それでも、藤井はやはり性格的に色々と難があり、読みながら「本当にそんな奴でいいの?」と思う部分もありながらも、一途に思う文和が最後には幸せになった事には救われたり。
 グイグイ読ませる力があり一気に読め、読後感も良かったですが、作中(特に最初)の虐待がどうしても引っかかったので★は低め。

評価【★★★★☆☆☆】
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