
オークラ出版 プリズム文庫
552円 (ISBN978-4-7755-0961-6)


【あらすじ】
売れないマンガ家の団は、超格安の古ぼけた一軒家に引っ越しをしたが、その家には不思議な先住者がいた!
移り住んだ初日の真夜中、自分を座敷童子だという着物姿の男の子が現れ、なんとふたりは同居生活を送ることに。
そして、人間とともに暮らしはじめた座敷童子の空は、だんだん性に目覚めてしまって――!?
【感想】
大神団は大学時代にマンガ家としてデビューしてから四年、雑誌の読者アンケートではいつも下から三~四番目という微妙な立場…原稿料もパッとせず、贅沢を出来る立場ではなかったが、ふと見かけた築30年の一軒家の格安物件に惹かれ引っ越しをした当夜、子供の足音で目が覚めた団を見つけていたのは六、七歳ほどのおかっぱ頭に着物姿の子供だった。
寝ぼけつつ、子供に声をかけた団にその子は自分の事を「座敷童子」だと言い…俄に信じられない話だったが、その子の不思議な力を目の当たりにし、信じるしかない状況だったが、特に害のある事もなく、いつしか空と名付けた座敷童子との不思議な同居生活に馴染んでいって――。
若月さんの作品はとても久しぶりに読んだ印象ですが、とても読みやすい文章に感じました。
団がマンガ家として少しづつ成功していく過程や、空がアシスタントをする様子は読んでいて楽しかったです。
ただ全体的に楽しめて読めましたが、座敷童子という奇抜な設定を使った割にはさして大きな波もなく、淡々としたお話で…読み終わってから、物足りないと言うか、終わってない感が残ってしまいました。
空が色々な事に好奇心旺盛だったり、お風呂好きだったりするエピソードは可愛かっただけに残念。
評価【★★★★☆☆☆】