梅花の茶園
HP(梅花の園にてティータイム)の更新日記や、BL・JUNE作品・ライトノベルズ等の感想や日々の徒然を思いつくまま書いております。
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『恋の達人』 剛しいら
恋の達人剛しいら / みささぎ楓季
ムービック ダリアノベルズ
857円 (ISBN4-89601-645-9)
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【あらすじ】
 大手商社に勤める松浦課長は34歳の優しげなハンサムで、社内では『恋の達人』と呼ばれている。そんな松浦の下に中途入社の古城が配属された。
 26歳の、長身で精悍な印象のある彼は実はバリバリのゲイ。そんなことを知らない松浦は思うよりも素直な古城を気に入るが、松浦に一目惚れした古城に『恋の達人』ならセックスを教えてくれ、と迫られてしまう。松浦は拒みきれずに身体を繋げてしまうが……。

【感想】
 松浦望は大日本商社の第三企画部課長として、大手飲食店の新規開店、リニューアルなどをバックアップする仕事をしている。そんな松浦には、社内での渾名がある…曰く『恋の達人』と…同僚の恋の相談にのっているうちに、その中の何組かが上手くいく中で、いつの間にかがついた渾名だったが…実際の松浦自身は、未だ独身で長く恋人もいない…しかし、人に内緒の趣味のせいで、噂は絶えず一人歩きしてしていて…。
 そんな松浦の下に新たに配属されてきた古城初音は、事あるごとに恋の相談をしてきて…気安く相談にのっていた松浦だったが、ある時気が付けばベッドに押し倒されていて――!?


 ロマンティックを夢見る乙女なオヤジ・松浦と、そんな松浦に一目惚れしたゲイの古城のお話。
 松浦と古城の一人称が交互になる形での展開でした。
  乙女名オヤジは、オヤジスキーとしては好物な筈なんですが…どうも松浦の性格がとってつけた感があって…あまり厚みが感じられず、また古城にながされすぎな辺りも気になってしまいました。
 古城が思わせぶりにヒミツにしていた趣味は、解ってしまえば大した事ないんですが…その趣味はなかなかに新鮮で、楽しかったです。

評価【★★★☆☆☆☆】
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『この愛を喰らえ』 李丘那岐
この愛を喰らえ李丘那岐 / 九號
幻冬舎 ルチル文庫
552円 (ISBN978-4-344-81008-2)
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【あらすじ】
 渡木阪鋭はヤクザの家に生まれたが、父である組長の死とともに組を解散、小料理屋の主となって二年経つ。鋭の店には元組員や隣接する緋賀組若頭・緋賀颯洵がやって来て賑やかだ。颯洵とは子どもの頃からの知り合いだったが、偶然再会して以来、常連となったのだ。ある日、颯洵から押し倒され面食らう鋭。次第に颯洵の存在を意識し始めるが……!?

【感想】
 27歳の渡木阪鋭は、調理師として店に訪れた客に料理を食べて貰う以上の魅力を稼業である極道の世界に感じられず、中途半端に組を継ぐをよしとせず、その他の事情も絡み代々続いた博徒系の組「渡木阪一家」を7代目組長だった父の死をきっかけに、後は継がずに組を解散して四年が経つ。
 今は寂れた繁華街の片隅にある「晩ごはん屋・とし旬」で働き始めて5年、先代の死去に伴い、店を譲り受けて二年が経つがその経営は常に低空飛行気味。
 客は常連ばかり、それも鋭を慕って来る元組員が多数を占める鋭の悩みはどうすれば集客力をアップできるか…そんな鋭にとって最近のショッキングな出来事は店の斜め向かいに少し前にオープンした小洒落たイタリア料理店だ。立地は鋭の店と変わらず、味だって負けてないのに、鋭の店とは違い毎日若い女性客が絶えない盛況振りで…客を一人増やすのにも四苦八苦し、半ば諦めかけていた鋭に与えたダメージは大きく…しかも気にくわない事にその店のオーナーは「とし旬」に隣接する緋賀組の若頭の緋賀颯洵で…しかし、そんな颯洵は「とし旬」で毎食を食べているような常連の一人で…。
 同じ博徒系の極道の家に生まれ、同じ年で育った二人は幼い頃からライバル意識があり、何かと絡んでくる颯洵につい反発してしまう鋭だったが、ある日そんな颯旬に押し倒されて――!?


 解散後も「若」と慕ってくる組員達や、元渡木阪組若頭で鋭の義理の叔父でもある津田の鋭に対するまるで父親の様な過保護ぶりや、何やかや行っても結局は激しいブラコンな弟くん等々…個性の強そうな魅力的なキャラクターが満載で話のテンポもよく、読み応えもあったんですが…読後感は全体的にあと一歩、物足りない感じが残りました。
 終わってみると、中途半端な感じのままのエピソードがチラホラ残ってしまった感があったのですが、それらをもう少し書き込んで欲しかったなぁ…と。
 特に鋭と彼の異母弟・亮の関係は、尻切れとんぼな感じを受けたのは私だけでしょうか…最初の登場が思わせぶりな割には大人しい終わり方で…彼にはもっと激しいブラコンっぷりを披露してほしかったです。
 元極道の家の跡継ぎで今は小料理屋の主人と、今も極道の家の跡継ぎと言う設定は面白く、鋭や颯洵のキャラクターも魅力的だっただけに残念な感じが残りました。

評価【★★★☆☆☆☆】
『シークレットでやっちまえ!』 砂原糖子
シークレットでやっちまえ!砂原糖子 / 金ひかる
オークラ出版 アイスノベルズ
857円 (ISBN4-7755-0251-4))
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【あらすじ】
 刑事の市居が追っていたある事件の容疑者が何者かに狙撃された。共犯の男を捜査本部は指名手配するが、市居には納得がいかない。
 現場で居あわせ、なれなれしく話しかけてきた男・汐見が気になるのだ。しかし、詳しく話を聞こうとしても、汐見は市居を口説いたりキスしてきたりからかってばかりで本題に入れない…。汐見の正体は?
 雑誌掲載時大好評だった作品にプラス大容量書き下ろし♪

【感想】
 バーのカウンターで女性を口説くのにホルスターの銃を見せているナンパ男・市居瞳也は刑事だ。それも26歳で警視の彼は、国家試験Ⅰ種取得のいわゆるキャリアというやつだ…。しかしそんなキャリア様は勤務中にもかかわらずナンパに勤しむ様な不良刑事だ…。
 そんな市居が、とある事件で追っていた容疑者のいるビデオ店で発砲事件があり、そこで出会った汐見征二という男は発砲事件直後の現場で平然とビデオを借りようとしていて…。
 なぜか市居は汐見に何かひっかかる物を感じたが――。


 最初の方で汐見が市居をSMクラブに置き去りにするシーンがあったんですが…私コレはダメでした…。基本的に主人公以外の相手と…というのが生理的に受け付けず…更に一方がもう一方を売り渡してる時点で萎えてしまって…正直読むのがキツくなってしまいました。
 ので、読むの辞めようかなー、どうしようかなー、と思いながら読んでいたんですが、その後は汐見の過去が明らかになってゆき、それによって彼が過去の事件で傷を負い、未だに癒えないトラウマを抱えていて…と、どんどん汐見と言う人物像が形作られていくうちに彼に感情移入していき、そんなトラウマを抱えた汐見と、市居が追い掛ける事件とが思いもかけず交差してゆき…と、とても読み応えが出てきて、後半はだんだん楽しめて読むことができました。
 が、やはり出だしの、あのシーンは嫌だったので、読後感は±0でした。

評価【★★★☆☆☆☆】
『愛がなければやってられない』 菅野彰
愛がなければやってられない菅野彰 / やまかみ梨由
新書館 Dear+文庫
560円 (ISBN4-403-52008-1)
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【あらすじ】
 超人気漫画家・安藤由也を育て上げた敏腕編集者の志賀耕介。二人は実は再従兄弟同士で、そうとは知らずに互いに恋しあっていて……。生活能力0の由也と、日々原稿を取ることに血道をあげている耕介。そんなふたりの間に「愛」は生まれるのか!?
 表題作の他、続篇「もっと愛がなければやってられない」、書き下ろし「さらに愛がなければやってられない」を収録した、コミカル・ラブストーリー!!

【感想】
 安藤由也は環状出版で発行している少年誌『週刊少年ドーピング』で『チタン脳超人ミクロンちゃん』を連載中の看板作家で、単行本1冊百万部を売り上げるドル箱作家でもある…だがそんな彼は、激しい遅筆であった…。
 発売1週間前になってもネームが仕上がらない事もある安藤を毎回、叱咤激励し、時には罵詈雑言浴びせてでも原稿をもぎ取るのは敏腕編集にして由也の再従兄弟の志賀耕介の役割だ。
 二歳年上の由也と耕介の関係は8歳の時に安藤家に預けられてから、変わらずに、人よりもペースのゆっくりした由也を耕介が常にフォローするといったものだった…。
 そんな二人の関係だったが、由也がマネージャーの女性にプロポーズして断られていたと知った時に耕介の中に何故か苛立つ気持ちがあって――。

 
 菅野彰さんの作品で、編集と作家と聞くと「毎日晴天!」の二人を思い出しますが、今作の作家と編集もその二人に負けず劣らずの締め切りバトルを繰り広げていて、大変面白かったです。
 何だか、日頃の菅野さんの修羅場ってこんなのかなぁ…と、あとがきで違うと書かれていてもついつい思ってしまう程、言葉の一つ一つに変にリアリティがありました。
 話の方は、頼りない由也をしっかり者の耕介が、あれこれと世話をやいたり面倒を見ているつもりだったのが、実は耕介が由也に支えられていて…共依存とも言えるような二人の関係が読んでいく内に見えてきて…と言う所はさすがだなぁ…と思ったり。

評価【★★★★★☆☆】
DIMBULAの2007年5月分の更新
 新刊予定(DIMBULA)の5月分の更新がほぼ完了。
 発売日や延期などは都度、わかり次第変更していきます。

 今月は小学館からルルル文庫が創刊されるみたいですが…どんなジャンルになるんでしょうか…。
 私としては小学館のパレット文庫はヒット作がチラホラあったので…無くなったのはかなり悲しかったのですが…同じようなカラーであって欲しいです。


 今月のお楽しみは…

9日頃 クロスノベルズ
『透過性恋愛装置』 かわい有美子(花本安嗣)
↑かわい有美子さんは作家買いの作家さんのお一人。久々の新刊でいまから楽しみです。

10日頃 ビーボーイコミックス
『アクマのひみつ』 高永ひなこ
↑先日読んだ『不器用なサイレント』がとてもツボ作品だったので。

 え、これだけ?と我ながら…他にも気になる本が色々あったんですが、他の本は取りあえず本屋で現物を見てから決めようと思っています。
『GⅠトライアングル』 いつき朔夜
GⅠトライアングルいつき朔夜 / ホームラン・拳
新書館 Dear+文庫
560円 (ISBN4-403-52121-5)
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【あらすじ】
 ラクミュミ――その漆黒の強く美しいサラブレッドに惚れ込んだ若手ジョッキー清見は、馬主である星生にラクシュミに乗せてほしいと直訴した。すると星生は「勝てばよし、負けたら私の意のままになるなら」と、とんでもない騎乗の条件を持ちかけてきた。
 クールな男から出されたその提案を、息を井出受けて立った清見だったが……!?
 レースでの勝利と自らのカラダを賭けて、乗るか乗られるか、恋のじゃじゃ馬馴らし!!

【感想】
 若手ジョッキーの菅清見は、惚れ込んだ馬がいる。
 その名は「ラクシュミ」、艶やかな青毛の黒馬は一目見た瞬間から清見の心を掴んで離さない存在だった。
 そしてまた、ラクシュミは清見にとって因縁浅からぬ存在でもあった…というのも、同じく騎手だった清美の父は、清見が9歳の時にレース中の落馬事故で帰らぬ人となっていたが、その時父が騎乗していたのが、ラクシュミの父オリハルコンだったのだ――。
 何時かはラクシュミに乗りたい、そして乗りこなしてみせる!と闘志を燃やす清見だったが、ある日偶然出会ったラクシュミのオーナー・星生が出した条件は「私と寝るなら」と言うとんでもないもので…一度は拒否する清見だったが、結局自ら再度星生に会いに行き…そこで二人の間でルールが作られた「清見がラクシュミに乗り勝てばよし、負ければ星生の意のままになる」という……そして清見はその条件を了承したのだった――。


 馬が、と言うか動物が出てくるお話は好きです。彼らの描写を読んでいると何だか癒される気がするので。
 今作はなかでも馬という知能が高い動物だけあり、とてもラクシュミが可愛かったです。
 話の方は競馬というある意味厳しい世界を舞台に、人一倍負けん気の強い清見が一生懸命な様子、また父親の事、友人の事などに悩む所は読み応えがあり、また競馬界の事も比較的丁寧に描かれていたと思います。
 ただ、私には少し色々ありすぎて、全体的に駆け足になってたような印象が残ってしまいました…。その後の様子を描いた『YOU WIN!』にあれだけのページを割くなら私としては、もう少し本編を増やして、落ち着いて読みたかったように思ってしまいました。
 またその『YOU WIN!』では清見が厳しい事を言われるシーンがあり…私にはそれが少し痛かったです…。まぁ、冷静に考えれば言われて当然の事かもしれないんですが…読後感に少し重い気分が残ってしまったので……。

評価【★★★★☆☆☆】
『step by step』 月村奎
step by step月村奎 / 依田沙江美
新書館 Dear+文庫
560円 (ISBN4-403-52043-X)
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【あらすじ】
 大学入学したての芳明は、ひょんなことから興味のなかった陶芸研究会に入ることになった。けれど、だんだんサークル活動が楽しくなり、花村森という、厳しいけれど笑った顔がちょっとやんちゃな先輩が気になり始める。そんな芳明に、時に顔を合わせる森の姉・朝子は妙に意地悪で……!?
 表題作の他、酒は飲んでも飲まれるな、文化祭の喧噪の中、相変わらずの芳明と森を描いた「形状記憶合金S」を収録。

【感想】
 本多芳明は年の離れた兄姉と両親という家族構成の中の末っ子の立場からか、過保護で過干渉気味の家族に辟易し、大学入学を期に一人暮らしをはじめたばかり。慣れない一人暮らしに、大学にと不安は募ってゆく…。
 そんな芳明が大学構内を歩いている所に声をかけてきた、吉野と花村と言う先輩らしき二人の男。芳明が経営学部と知り、自分たちについて来たら花村が以前使っていたテキストを譲ってくれると言われて…無理を言って一人暮らしを始めた芳明にはテキスト代が浮くかもしれない申し出は魅力的で…素直に付いていった芳明は、そのままなし崩し的に「陶芸研究会」というサークルに入部することになり…。
 最初は不承不承で参加していた芳明だったが、陶芸は始めてみると案外面白くて…また最初は無表情で恐そうに見えた先輩・花村森の、歯に衣きせぬ厳しい物言いの中に時折見せるさり気ない優しさに次第に惹かれいってる気持ちがあって…。
 戸惑う芳明だったが、花村の姉・朝子は初対面の時から芳明に対してだけは何故か敵意を隠さず、時折酷くぶしつけな物言いで突っ掛かってきて――。


 芳明の内面描写がとてもよくて、だんだんと花村に惹かれていく様子はとても自然に感じられました。
 甘ったれた末っ子タイプの芳明が、それでも自分の問題点から目を逸らさずに少しずつでも成長して行ってる過程を感じられたのもまたよく、この辺りはさすが月村さんだなぁ…と思わせられました。
 ただ、芳明との対比として出てきた朝子のネガティブさは…うーん、少し私にはキツすぎたかと。私もどちらかというとネガティブ傾向が強いので、彼女を見てると自分を見てるかのような、それこそ同族嫌悪が働いてしまいました。そういったのも解った上で朝子のキャラはあぁされたんだろうなぁ…とも思うんですが、やはり少し痛かったです…芳明が成長が見れたのに対して朝子の方の成長が僅か過ぎたせいかなぁ。
 あと、作品が芳明の一人称なので仕方ないのかもしれませんが、花村の言葉が足らない感じで、彼の気持ちが今イチ掴みづらかった気がしてしまいました。
 一人称の主人公の相手が無口なのって、感情が読めない分、私的にはちょっと物足りなくなってしまうのかもしれません…。

評価【★★★★☆☆☆】
『サマータイムブルース』 桜木知沙子
サマータイムブルース桜木知沙子 / 山田睦月
新書館 Dear+文庫
560円 (ISBN4-403-52071-5)
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【あらすじ】
 ――その恋に気付いたのも、夏だった……。隆伸は高校時代、サッカー部の先輩だった鳥居に片思いをしていた。鳥居は一見無愛想で誤解を受けやすいが、本当は優しくて、いつの間にか隆伸は惹かれずにはいられなかったのだ。そして、想いを告げた隆伸が拒まれてから四年目の夏、OB会で久しぶりに鳥居と再会した隆伸は、消せない自分の想いを再認識する……。
 表題作ほか二篇を収録した、Forever Love Stories!!

【感想】
『サマータイムブルース』
 三輪隆伸は高校生の時に、偶然訪れた新宿二丁目の街角で同じサッカー部の一年先輩の鳥居が見知らぬ男と歩いている所に出くわし、その場で鳥居からゲイだとカミングアウトされ…最初はただ驚いた隆伸だったが、それはすぐに自らの鳥居への気持ちを自覚する事になって……。
 抑えきれずに告白した隆伸に、しかし鳥居の返事はNOだった。
 それでも、諦めきれずに何とか接触を試みる隆伸に対して、鳥居の態度は以前にもましてそっけなくなり…そして高校を卒業し3年、1度も会えなかった鳥居にサッカー部のOB会で久しぶりに再会した隆伸に相変わらず鳥居の態度は冷たくて…。それでも諦めきれない自分がいて――。 


 本筋とはあまり関係ないんですが、どうも舞台設定と言うか彼等の生活している立地がどの辺りなのかが解りずらく感じ、全体的なイメージをしにくかったように思いました。、
 作中にチラホラ出てくる地名を見ては東京?埼玉?と頭をひねってしまい…イマイチ話の方に入り込めず。
 特に重要な話の内容でもなかったんで、サラッと流せばよかったんだと思うんですが、中途半端(に私には思えてしまった)地名に余り(と言うか全然)関東方面には詳しくない私は……イラついてしまいました。

 話の方は…隆伸ガンバレーと言うしか…鳥居先輩、少し表情なさすぎて…何を思ってらっしゃるのか解りにくくて…。ストーリー展開は読みやすかったと思うんですが、鳥居の気持ちが解りにくくて、そんな鳥居に挫けそうになりながらも気持ちを吹っ切れない隆伸にもあまり感情移入できませんでした。
『ウィンターソング』
 17歳の伊達康祐は、同級生の友人達に言えない秘密を幾つも抱えていた。
 …この夏に、サラリーマンだった父がリストラに遭って職を失い、再就職も決まらず一日家で無気力に過ごしていて、パートに出ている母外で浮気をしていて……そして康祐は異性に興味が持てない質で…。
 日々荒んでいく家の中で、自分が親の望む様な良い子でいれば、いつかは両親の関係も昔の様な温かなものになり、明るくなるのでは…。そんな一縷の希望に、不満や悲しみを内へとしまい、一人懸命に頑張る康祐にとって、何時も優しく気遣ってくれる、同じマンションに住み、子供の頃から兄の様に接してくれる浅川淳の存在は、何時しか兄以上になっていて――。


 『サマータイムブルース』で出てきた隆伸の先輩の淳のお話。
 前作より私はコチラの話の方が好きです。
 思春期に更に両親の事など、色々な悩みを一気に抱え込んでしまった康祐のそれでも挫けずに一生懸命な様に胸を打たれ、また努力が報われなかったと思った時の絶望やそれらの事に、どの様に自分なりの折り合いをつけてゆくのか…が丁寧に描かれていたと思います。
  読んでいる間は、康祐の切なくて苦しい気持ちがダイレクトに伝わってきたりしましたが、読後感はどこか暖かくてよかったです。

評価【★★★★☆☆☆】
『まんまこと』 畠中恵
まんまこと畠中恵 / 南伸坊
文藝春秋
1400円 (ISBN978-4-16-325840-9)
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【感想】
 高橋麻之介は江戸は神田で八つの支配町を持つ古名主、高橋家の跡取り息子だ。16歳になるまでは、人の期待を集める自慢の息子だったが…16歳のある日、突然それまでの生真面目で勤勉な所を何処かに落として無くしてしまったらしく、22歳の今では大層“お気楽”な若者に化けてしまっていた。
 そんな名主のお気楽息子、麻之介と同じく名主の息子で女性に人気の八木清十郎と、武士で堅物の同心見習い相馬吉五郎の悪友三人が揃うと何かしらの騒動が起こるが…。
 江戸の町で起こる難問・奇問に麻之介が出した答えは――。


 畠中恵さんは『しゃばけ』シリーズがとにかく好きな作家さんでして、今作は趣は違っても同じく時代小説と言う事で大いに期待して読みました。
 が…面白かったんですが、残念ながら萌え所はなく(←当たり前)
 読み始めて直ぐに、主人公の麻之介が悪友の清十郎に「あたし達が念者と若衆の間柄だと、人に言って欲しい」と頼んだ時は「おぉ!(喜)」と喜んだものですが、その後は全くそういう雰囲気の登場人物はおらずでした…(残念)。
 麻之介が機転と発想で名主名代として事件をまとめ上げる様は読んでいて爽快でしたが…それにしてもこういう時代小説に衆道物はないんですかねぇ…喜んで買うんですが。できればこういう短編で事件を解決する中にサラッと入ってるようなの希望!って難しいですかねぇ。
 
 (↓ココから激しく脱線するので、お暇な方のみどうぞ~。)
[『まんまこと』 畠中恵]more...
『月も星もない』 久我有加
月も星もない久我有加 / 金ひかる
新書館 Dear+文庫
600円 (ISBN978-4-403-52159-1)
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【あらすじ】
 突然、相方からコンビ解消を告げられた。絶望的な気持ちで街をさまよっていたところ、やはり同じ日にコンビ解消を言い渡された秀永と遭遇する。共に売れない芸人同士。傷を舐め会うかのように、勢いで身体を重ねてしまう。翌朝、「おまえの初めての男になった責任をとりたい」と秀永が言い出し、二人でコンビを組んでみることになるが……!?
 関西弁BLの旗手、久我有加の本領発揮、お笑い芸人ものBL新作登場!!
【感想】
『月も星もない』
 売れない芸人の城坂温は、高校の時から9年間コンビを組んでいた相方から、突然のコンビ解消を伝えられ途方に暮れていた。
 寝耳に水の事態に混乱し、これからどうしていけばいいのか解らず道端でしゃがみ込んでしまった温に声をかけてきたのは、道端の自販機にもたれて酒を飲んでいた秀永元継だった。何と秀永も相方とコンビ解消したばかりだといい…。
 同じ日に別々にコンビを解消され途方に暮れる芸人が二人、月も星もない夜空に光る飛行機のパイロットランプを流れ星に見立てて、祈る事はお互いに一つ「売れますように」…。
 そんな二人が、そのまま何故か勢いで体を重ねてしまい…翌朝、正気に戻った温に秀永は土下座をして「初めての男になった責任をとりたい」と一緒に漫才をしようと言ってきて――!?

 
 なかなかショッキング(笑)な出だしでしたが、ストーリー展開はそれに比べると淡々としていたように思いました。
 少し優柔不断な所のある温が秀永と共に一つのお笑いを創り上げていく中で、秀永に対して得難い「相方」であるという思いと同時に、少しずつ恋心を自覚していく過程が丁寧に描かれいたと思います。
『昼も夜もない』
 秀永と新たなコンビ「パイロットランプ」を結成して一年半が過ぎた。
 徐々に力を付けてきた二人は、今年お笑いコンビの登竜門「全国漫才コンテスト」の最終選考に残り、ブレイクも間近となってきたが、それに伴い長く連絡を取らなかった知人等から様々な声がかかるようになってきて…。
 そんな中で、温の前には以前の相方が現れて…また秀永も何か温に隠し事をしている様子で――。


 着実に成功の階段を駆け上がって行ってる二人に、最初の試練が!と言う感じで、秀永の不審な態度にだんだんと思い悩む温の心情がダイレクトに伝わってきて読み応えがありました
『全漫当夜』
 『昼も夜もない』のその後。
 「全漫」で優勝を勝ち取る寸前の舞台の上の二人と、その後。


 全漫で優勝した二人の様子が、そこに至るまでのコンビ結成から一気に読んだので、ただただヨカッタね!と思えました。

 この作品、主人公の心理描写も丁寧にされていて、ページ数もたっぷりあって読み応えも十分あり、とても楽しんで読めたんですが…私の個人的な琴線に主人公が二人ともが後一歩の所で触れなかった感じでした。ので、点数的には少し辛めの4点。ホントに極々個人的な部分です。
 でも、十分に読み応えはあったので「あとがき」に、この作品の続きが来春頃に発売予定と書かれていたので、それは間違いなく買うと思います。

評価【★★★★☆☆☆】
『Stand Alone』 駒崎優
Stand Alone駒崎優 / 槇えびし
講談社 ホワイトハート文庫
550円 (ISBN978-4-06-255947-8)
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【あらすじ】
 クリス・J・ウォーカーの油彩画の個展を訪ねてきた男は、【天使】というタイトルの絵の前で呟いた。
 「これは、俺だ」と。
 その男ラフィと、クリスは幼馴染みだった。ニューヨークの向かいのアパートメントに住み、兄弟同然に育ったのだ。
 十年ぶりの再会は、しかし苦いものだった。「あのこと」が二人を引き裂いたのだから――。

【感想】
 二人が出会った時、ラフィ・リヴェラは5歳、クリストファー・ジェファーソン・ウォーカーは11歳。
 母と共に引っ越してきたラフィの新しい部屋、イースト・ビレッジに建つ、古いアパートの向かいのアパートに住んでいたのがクリスだった。
 出会ってすぐに親しくなった二人…クリスは年の離れたラフィを小さな弟の様に扱い、ラフィも彼に懐いた。シングルマザーの母親が仕事で不在の時は、クリスの家に預けられていたラフィは、いつもクリスが絵を描くのを傍らで見ていた…それが幸せだった。
 兄弟の様に育った二人だったが、クリスが20歳、ラフィが14歳の時に起こった事件により、クリスはラフィの前から姿を消してしまい…ラフィの心には深い後悔だけが残り…。
 それから10年、ロサンゼルスの街の画廊で催されていたクリスの個展に成長したラフィが現れて――。


 甘いお話ではなかったけれど、読後感は悪くなかったです。何かしらの余韻がある感じでした。
 あとがきでこの作品をBLではなくゲイノベルと書かれていましたが、確かに私はこういう「ゲイノベル」が好きなんだなぁ…としみじみ思ったり。(『黄昏のハイスクルール』(←私にとってのNo.1ゲイノベル)とか好きだし。)
 過去の出来事で、それぞれの心に負った深い傷を癒せないまま大人になった二人が、再会したことによりその出来事へと立ち向かっていき、少しづつ癒していくお話。
 これといって派手さもなく、淡々と進む日常の1コマを描いたような感じでしたが、その中で主人公達が精一杯“生きて”いる様子がよかったです。
 個人的には特にクリスが、ラフィを可愛がり、それに年下らしく甘える様子がツボでした。
 
評価【★★★★★☆☆】
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