梅花の茶園
HP(梅花の園にてティータイム)の更新日記や、BL・JUNE作品・ライトノベルズ等の感想や日々の徒然を思いつくまま書いております。
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2006年11月まとめ
 今月は漫画もそれなりに読んだのに、感想は小説ばかりになってしまいました。漫画…一冊に何作か入っているので、億劫になってしまってます(^^;)

 あと、今月の気になった作家さんは何と言っても李丘那岐さん!でした。



BL小説
6★絶対オススメ! 
『くちびるに愛の歌』 李丘那岐
『さよならヘヴン』 榊花月

5★:かなりいい!
『ムーンリット・フォーチュン』 水壬楓子
『わからずやの恋人』 ごとうしのぶ
『天使たちのアフターヘヴン』 李丘那岐
『マイ・ガーディアン』 李丘那岐
『野蛮な恋人』 成宮ゆり

4★:楽しめて読めました。
『獣の啼く街』 いおかいつき
『夜にくちづけ』 名倉和希
『みだらな恋人』 ななおあきら
『恋はギャロップで』 檜原まり子
『罪つくりな契約』 結城一美
『砂漠の真珠』 いとう由貴
『たったひとつだけの恋』 月上ひなこ
『純情な恋人』 成宮ゆり
『いつか、あふれる』 麻生玲子
『アリア -囚われの花-』 早瀬響子

3★:可もなく不可もなく。
『抱きしめたまま、ここにいて。』 真崎ひかる
『GROW~火照り~』 妃川螢
『混線ラブノット』 高月まつり
『スウィート・コンプレックス』 水月真兎
『ストレイ・キャット~俺の胸で眠れ~』 羽緒柚乃
『侵せない繭』 かのえなぎさ
『不在証明-アリバイ-』 愁堂れな

BL漫画
4★:楽しめて読めました。
『また あした』 町屋はとこ

雑誌
小説リンクス 2006年12月号

ライトノベルズ
『神父と悪魔 カープト・レーギスの吸血鬼』 志摩友紀

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『不在証明-アリバイ-』 愁堂れな
不在証明-アリバイ-愁堂れな / 石原理
雄飛 アイノベルズ
850円 (ISBN4-902543-62-1)
Amazoを見る bk1を見る

【あらすじ】
あの時も、今も、触れたくてたまらない
 警視庁捜査一課から突然異動を命じられた秋吉の前に、銃撃事件の被害者として現れた青龍会の若頭――それは、18年前キスをした後、忽然と姿を消した高校時代の友人・神宮寺だった。しかもその夜、ヤクザとなった友人に驚く秋吉を、神宮寺は巧みな愛撫で翻弄し快楽へと堕としていく。だが、同時刻に起きた殺人事件との関与を疑われた神宮寺は、アリバイの証人として秋吉を利用してきて……。

【感想】
 秋吉満は警視庁捜査一課から突然の異動で西多摩署に異動してきた朝、懐かしい夢を見た…。
 それは高校二年の時の鮮烈な記憶…秋吉が両親の離婚によってグレかけていた時に、そんな秋吉に熱心に声をかけ、高校野球の応援団へと誘った学校の優等生・高柳泰隆の夢だった…。
 あれから18年、泰隆はその後、突然高校を辞め、秋吉も久しく見なかった夢を見た日、西多摩署に初出勤した秋吉を待っていたのは発砲事件で、その場に居たのは、夢で思い出した泰隆その人だったが、優等生だった彼は何と、ヤクザの若頭となっていて、しかも名字が神宮寺になっていて――。

 元同級生が18年振りに再会したら、ヤクザと刑事になっていた、と言う設定が面白そうだったんですが…事件やら、高校時代の応援団の思い出やら面白そうになる要素は沢山あったにも関わらず、そのどれもが薄っぺらに感じてしまったのが残念。
 楽しんで読めたけども、後に残るものは無かったな、と…石原理さんの描かれるヤクザや応援団は格好いいな~と、その点は見応えがありました。

評価【★★★☆☆☆☆】
『侵せない繭』 かのえなぎさ
侵せない繭かのえなぎさ / 紺野けい子
ワンツーマガジン社 アルルノベルズ
857円 (ISBN4-903012-89-1)
Amazoを見る bk1を見る

【あらすじ】
 野心家のエリート弁護士・河森英士は、父親の薦めで有名商社の社外監査役となる。監査で訪れた僻地のプラント農場で、整った美貌の責任者の景浦明彦に出会い、その鳶色の柔らかな誘惑するような瞳と極上の笑顔に魅せられていく。金食い虫のプラント事業の監査に訪れたはずが、すっかり明彦の掴み所のない優しさに誘惑され溺れていく英士だった。車の故障で泊まったホテルで、英士は明彦に熱い欲望を注ぎ込み快感の渦に巻き込んでいく――!!

【感想】
 大手飲料メーカーの社長を父に持ち、伯父の経営する法律事務所で働く33歳の河森英士は父の薦めで商社の社外監査役になる。そこでは、前社長で現会長と交代したばかりの新社長により、会長色を一掃しようという動きがあった。そういう各々の思惑があっても英士は仕事に対しては真摯に会長、新社長どちらの見方にもならずあくまで公平な姿勢で監査を心がけていたが、会長が社長時代に力を注いでいたと言う循環器型のプラント計画の実験場への監査に訪れた英士はそこで、秋空の様に清々しい笑顔を持つ童顔だが英士と一歳しか違わないプラントの責任者・景浦明彦と出会う。
 最初は、明彦の人なつこい様子に戸惑う英士も次第に、親しみを覚えていくが――。

 前半は弁護士の英士の監査役の仕事や、明彦がプラントの研究に夢中になる様子が生き生きと描かれていて、彼らが出会い、お互いに惹かれ合って…という過程は読んでいてワクワクして楽しめましたが、後半部分がどうも…駆け足に感じてしまい、話にいまいち乗り切れなかった感が残ってしまいました…。前半で英士のバックグラウンドが詳しく紹介されていた割には、そういった諸々がサラッと流されてしまった感じで、それなら前半にあれほどのページを割かなくてもよかったんじゃ…とかを各所で思ってしまったので…。あと、誤字も少し多く感じて、それも大切なシーンとかでの誤字などが目立ってしまい、その度にスッとお話から覚めてしまいました。
 お話のテーマや設定は面白そうだっただけに、色々と残念な作品でした。

評価【★★★☆☆☆☆】
レーベルのカラー
 以前からレーベルによって購入するかどうかと言う好き嫌いが激しくありました。

 例えば、クリスタル文庫やDear+文庫等はレーベル買いかという勢いで買っていた事もあります。(最近はクリスタルはちょっと買うときに考えますが…)
 逆にラピス文庫やルビー文庫から発売されてる作品は、作家買いをする作家さんの作品以外はなかなか手が出ません…。

 でも、最近ふと同じ作家さんでもレーベルによって好き嫌いがあるかも…と思い始めました。
 何というか、この作家さんの作品は大抵好きなんだけど、どうもこのレーベルから出てるのは好きになれないなぁ…という感じで。
 全部が全部と決めつけられる物でもないんですが、何となく…。
 
 逆に、普段の作品はそう琴線に触れないんだけど、このレーベルから出てる作品はめちゃ好きかも!と思うのもあります。
 編集さんとかとの相性とかですかね。

 で、何が言いたかったかというと、高月まつりさんのコメディ作品は結構好きなんですが、中でもルビー文庫から出てるのは弾けっぷりが見事で好きです。
『ストレイ・キャット~俺の胸で眠れ~』 羽緒柚乃
ストレイ・キャット~俺の胸で眠れ~羽緒柚乃 / 橘ケイコ
幻冬舎 リンクスロマンス
855円 (ISBN4-344-80758-8)
Amazoを見る bk1を見る

【あらすじ】
 幼い頃に両親を亡くし天涯孤独の笈川潤は、喫茶店でアルバイトをしていた。ある日、コーヒーを配達しにいった探偵事務所で男の死体を発見してしまう。慌てる笈川はその事務所の所長で、裏で殺し屋もしている射場に捕らえられ、「仕事を手伝えば助ける」との条件を呑むことになった。その仕事とは、ある製薬会社に潜入して、そこで失踪した少年を捜すということだったが……。
 危険でミステリアスな男とのビタースウィートロマンス。

【感想】
 何をやっても失敗続きの19歳の笈川潤は、高校卒業後に就職した会社の業績不振からクビになり、喫茶店「キリン」でアルバイトをしながら現在再就職先を探している最中。
 何とか再就職先が決まりそうな矢先、コーヒーを配達に行った先で、男性の死体を見てしまい…慌てる笈川に対して、コーヒーの注文主で殺し屋の射場一隆は「仕事を一つ手伝えば助けてやってもいい」と条件を出してきて…それは失踪した少年を捜すために、製薬会社のモニターとして山奥の研究所に潜入することで――。

 最初に死体を発見する所から話が始まるのはインパクトが大きく、また脅されて潜入調査と言うのも目新しく感じて、物語の進展に興味を持ったんですが…面白くなかった訳ではないんですが、事件としては製薬会社の実体が不透明すぎて、その後どうなったのかの説明がもう少し欲しかったなぁと思いました。
 笈川と射場との関係も、笈川からの気持ちは作中からも読みとれたんですが、射場の方の気持ちが少し読みとりづらく感じたのが残念。
 あと、射場の「殺し屋」と言う設定は、そういうシーンも余りなかったせいか違和感がありました、探偵で殺しも厭わないと言う程度ならアリだったと思いますが…。
 全体的に面白そうな設定が各所にありましたが、それらが十分に生かし切れてなかった感が残りました。

評価【★★★☆☆☆☆】
『スウィート・コンプレックス』 水月真兎
スウィート・コンプレックス水月真兎 / 東野裕
MOVIC ダリアノベルズ
857円 (ISBN4-89601-652-1)
Amazoを見る bk1を見る

【あらすじ】
 地位も金も美貌も持つ大企業の総帥の孫・椿が唯一執着するのは、腹違いの弟・虎之介
 高校の時、タラシの彼を振り向かせる為に体を投げ出した椿は、それ以来淫らな夜を過ごしている。社会人になっても変わらず椿に従う虎之介だが、瞳には暗い光が秘められていた。ある日、椿に見合い話が来る。見合い当日、椿は自分に内緒で女性と親密に過ごす虎之介の姿を見かけて…。

【感想】
 生まれて直ぐに母を亡くし、父も家を出て行き祖母に育てられた鬼龍院椿は、十三歳の時に父とその情人との死の知らせと同時に、その間に生まれていた一歳年下の異母弟、靱虎之介の存在を知り…情人との間の子の存在を受け入れとしなかった祖母の代わりに虎之介を引き取ったのは椿だった…。
 以来、椿に対して常に影の存在でいようとする虎之介との関係は、高校の時に彼らの間に兄弟でありながら肉体関係が出来ても変わらず、今では椿は若くして祖母が会長を務める『キリュー・コーポレーション』の企画部部長と言う住職を担う一方、虎之介は資材部主任という閑職に甘んじていて…そんな虎之介に対して独占欲を抑えられない椿だったが――。

 近親相姦ものでしたが、特にタブー感はなく、取りあえずお互いにゾッコン惚れてる兄と弟のお話になっていました。
 比較的、文字数も少ないイメージでサラッと読めましたが、私としては、エッチシーンが多すぎたなぁ…と思ってしまいました。エッチシーンを何割か減らして、もう少し祖母との関係や、会社内での派閥問題などの方にページを使って欲しいと思いました。
 椿に対する虎之介の従順さ、実力を持っていながら敢えてボンクラを装っていると言う設定は面白かっただけに残念でした。

評価【★★★☆☆☆☆】
本がかぶる不幸
 子供の頃から本が好きで色々読んでいましたが、最近はもっぱらBLと呼ばれる本ばかり買ってる気がする今日この頃、我ながらこの偏り具合はどうなんだろ…と思わないでもないですが、言いたいことはそう言うことではなく、蔵書量が半端でなくなってきました。

 一時期、整理と言う事を放棄しつつ、ストレス解消に読まないのに買いまくっていた時期があり、最近その本などや今まで読まず嫌いをしていた作家さんなども積極的に読んでいるのですが…その過程で本を少しづつ整理整頓しています…全く進んでいませんが;
 
 そこで、ここに来てガッカリする事が多々あります。

  何がと言うと…




 本が重複しているんです  il||li _| ̄|○ il||li

 
  
    
 同じ本が二冊出てくる事がザラザラとあります。
 酷いときには三冊とかも…今までの最高(最低?)記録は四冊でした・゚・(ノД`;)・゚・
 新刊で買い、そのまま読まずに置いて置いて、その後に古本屋で見かける度に同じ本を買っていた様子…アホです。

 重複購入の数が1冊や2冊程度なら「こういう事も、あるある~」と軽く流せたんですが…さすがに5冊も6冊もかぶってるのを見つけてくるとガックリ来ますね。しかもそんな本が続々出てくると…。


 ってそんなアホな理由でガックリするのは私位ですか。
 以前は、買った本や読んだ本を忘れる事はなかったんですがね。記憶力が甚だしく低下している最近は、やはり厳しいのですかね…。
 取りあえず、読んだ本は出来る限りHPにアップする事にしました。
 そして買っただけで読めてない本はリストを持ち歩くべきなのがよく解りました。ε-(;ーωーA
記憶力の衰え
 昔は読んだ本の粗筋から登場人物の名前から、自分の感想まで事細かに記憶し、友人達との語らいなどでは直ぐに本のタイトルや作家名が出てきました。

 しかし先日、長年の友人がライトノベルやBL本を以外と読んでいた事が判明し久しぶりにそういう話題で盛り上がった時に愕然としました。


 本のタイトルが思い出せない!!
 


 タイトルだけでなく、作家名や話の内容などもカラッと抜けてるんです…。
 友人も同世代…二人で昔読んだコバルト文庫の話などで
 
 「アレアレあの作家さん、え~と妖魔とか出てくる話書いてた人!」
 「あ~アノ作家さんな~……名前、何って言ったっけ?」
 「何だったかしら?」
 
 とかバッチリ、アレアレ・コレコレで話が進んで行ってました…。

 昔は好きな本の事は事細かに覚えていたのに!_| ̄|○ il||li
 
 まぁ、そのコバルト文庫に関しては随分昔の作品で長い間読み返したりしてなかったので、仕方ないッちゃー仕方ないんですが(言い訳)

 …この物忘れっぷり、本当に凄まじいです。

 でも…そういや、最近読んだ本に関しても、数冊前の話の内容が曖昧な時があります…。
 このブログの感想も、読んだら直ぐに書かないと、何が言いたかったのかとか、どんな印象を受けたかとかをサラッと忘れてることがあります。なので、一冊読んだら、感想書くまで次を読まないようにしています(ー〃ー;)
『アリア -囚われの花-』 早瀬響子
アリア -囚われの花-早瀬響子 / 左崎なおみ
雄飛 アイノベルズ
850円 (ISBN4-902543-53-2)
Amazoを見る bk1を見る

【あらすじ】
 ローマの片隅で父の帰りを待ちわびながら健気に働く少年・純也。だがある日、マフィア系財閥の若き総帥・レオに拾われ、愛人にされてしまう。深い絶望を味わわされ、傲慢に身体を拓かされる毎日のなか、ある才能をレオに見出された純也は、突然、華やかな舞台へと引き出され――。
 陰謀渦巻く世界で華麗に花開く、ラブ&サクセス!

【感想】
 日本に妻を残してイタリアに料理の修業に来ていた日本人の父と、オペラ歌手だったイタリア人の母との間に生まれた純也は、父が日本へと帰っていき、純也が7歳の時に母を亡くしても引き取りを拒否した為、母方の祖母に引き取られ育てられた。
 その後、祖母が13歳の時に亡くなってからは一人で生きてきたが、17歳の時に事業に失敗した父が現れ、援助を頼まれて…少し迷った純也だったが、自分に感心の無かった父が頼ってきてくれた嬉しさもあり、祖母の残してくれたわずかな蓄えを渡した途端、またもや父はいなくなり、残された純也の元にはマフィアが訪れ、父がマフィアからの巨額の負債を踏み倒して再び日本へ帰った事を知らされる。
 それでも、何時かは父が迎えに来てくれる事を信じ、マフィア系財閥のペザーロが一族の威信をかけて建設中の歌劇場の工事現場で虐待されている所を、視察に訪れた総帥のレオに連れ出された。
 状況の変化に対応しきれていない純也をレオは強引に押し倒してきて――。

 イタリアを舞台に、オペラに強い思い入れのある人々のお話でした。
 しかし、今ひとつ純也が日本人とのハーフでないといけなかった理由が見えてこなくて、作中で純也の名前が出るたびに別に普通にイタリア人でよかったんじゃ…と思ってしまったりしました。
 それ以外は全体的に楽しく読めましたが、読後感としては、話の展開が読みやすく、しかもトントン拍子に進みすぎてる感が強く残ってしまったのが残念。
 オペラを舞台に…という設定は面白く感じただけにもう少し波乱などがあってもよかったなぁ…と思いました。

評価【★★★★☆☆☆】
『いつか、あふれる』 麻生玲子
いつか、あふれる麻生玲子 / 宮本佳野
笠倉出版社 クロスノベルズ
857円 (ISBN4-7730-0314-6)
Amazoを見る bk1を見る

【あらすじ】
 「お前は、俺に譲られたんだよ――」
 男を見る目がない遊佐は、名前しか知らない篠崎という上司に突然押し倒され、つき合っていたはずの相手から彼に譲られてしまったことを知る。衝撃の事実に抵抗する遊佐だったが、出世と退職というアメとムチをちらつかせる篠崎に巧みに懐柔され、ついに抱かれてしまう。
 100%打算で始めたつもりの関係は、いつしか篠崎に傾き始めた遊佐の心を追い詰めてしまうのだったが…。

【感想】
 大手テクノロジー企業のグループ会社である『iシステムズ』に入社して四年目の営業である遊佐叶は、会社では中堅社員と言われる年代になってきて仕事ぶりも落ち着いてきたが、生来の負けん気が強いのが玉に瑕。中学の時に恋愛対象が同性であることを意識して、大学時代に二年先輩だった栗原と付き合いだしてその事にも慣れたが、栗原に卒業と共に「女性と付き合いたい」と別れを告げられ、ショックを受けて以来、恋愛に対しては斜め視点しか持てなくなってしまったが、本気の恋をしなくなった分だけ有る意味気楽になったとも言える。
 そんな栗原とは何の因果か就職先で再会し、しかも厚顔にも再び付き合わないかと言ってきて、その申し出に呆れつつも都合の良いセックスフレンドとして付き合っていた…だが、そんな栗原に遊佐は再び裏切られた…いつもの様にホテルに部屋を取り、遊佐がシャワーを浴びて出てきたら、そこには栗原の他に、もう一人男が居た…彼は同じ会社で弱冠31歳で部門中最先鋭といわれているグループを率いている社内でも有名な男・篠崎だった…。
 栗原はその篠崎のグループから機密扱いの情報を盗み、他社に売り渡そうとした所を篠原に見つかり、内密にしない代わりに遊佐を差し出したと言うのだ…。自分の意志を無視したやりとりに、唖然としながらも何処か諦め、冷めた視線でいた遊佐だったが――。

 麻生玲子さんの作品は久しぶりに読みました。
 文章が読みやすくて、文字も少なかったのでサックリ読めました。
 遊佐の自分の意志を無視して譲渡されたにもかかわらず、篠崎との関係を受け入れたりする、恋愛に対して冷めた気持ちが、篠崎と過ごすうちに少しづつ変化してゆく、と言う展開は面白かったです。
 ただ、どうも視点の殆どが遊佐に偏りすぎていて遊佐からは篠崎の気持ちが見えず…というスタンスのせいか、篠崎の本意が終わりの方まで見えてこなく、しかも波乱が最後の最後にあったので、最後の方が駆け足に感じられたのが残念でした。

評価【★★★★☆☆☆】
『純情な恋人』 成宮ゆり
純情な恋人成宮ゆり / 紺野けい子
角川書店 ルビー文庫
495円 (ISBN4-04-452002-X)
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【あらすじ】
 「恋愛なんて面倒」だから適当に遊んで、決して本気にはならない事を信条としていてる大学生の春樹。ところがある日、恋人に別れを切り出した途端に監禁まがいの事をされ、ようやく逃げ出してきたところを、二匹の犬を連れた男・上総に家へと誘われる。「俺を思い出さないのか?」と聞いてくる上総に覚えがない春樹。しかし、一宿一飯の恩に対し体を差し出す提案をした春樹を、上総はなぜか怒りに任せて襲ってきて…!?
 二度目の出会いは運命――不器用で一途なエリート×淫らで奔放な大学生のイマドキ純情ラブ!!

【感想】
 田島春樹は大学四年生。昔、死ぬほど好きになった相手に死にたくなるほど傷つけられてからは、付き合う相手は敢えて本気にならない相手を選び、来る者拒まずで男女問わず軽い付き合いで奔放に生きてきた…だが、ここ最近はあまりツイてない。付き合う男性と別れる時にこじれてばかりいるのだ。新しい男も独占欲が強すぎて、ウンザリしていたが別れ話の時に監禁されそうになり慌てて逃げ出してきたが、雨の中行く場所もなく手元には携帯のみ。
 公園で雨宿りをしながら途方に暮れていた春樹を拾ったのは“ドルチェ”と“ピアチェ”と言う二頭の犬を連れた男・岩倉上総。
 一時の宿として居着く事になった春樹だが、そんな春樹に上総は「覚えていないのか?」と意味深な事を言って――!?

 成宮ゆりさんのデビュー作「野蛮な恋人」の主人公・秋人の兄・春樹のお話。
 前作で好き勝手に生きてきた春樹について描かれていましたが…。うーん、面白くなかった訳ではないんですが、細部の説明をしないまま終わった感が残ってしまいました。話の展開はだいたい読んでる途中から解ってくるんですが、それに対する説得力みたいなのが不足してまるで取って付けたかのようになってしまってる部分があると感じてしまったので、そう言った細部をもう少し描き込んで欲しかったなぁ…と思ってしまいました。
 あと個人的に、前作の秋人や智也達がエピソードとしてしか登場しなかったのは、前作を読んで彼らが好きになっていたので残念でした。

評価【★★★★☆☆☆】
『野蛮な恋人』 成宮ゆり
野蛮な恋人成宮ゆり / 紺野けい子
角川書店 ルビー文庫
552円 (ISBN4-04-452001-1)
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【あらすじ】
 「びくつくなよ。やられんのが嫌なら、俺が受けてやってもいいんだぜ。俺を抱けるなんて光栄だろ」
 兄・春樹のマンションに居候をすることになった大学一年生の田島秋人。ところが訪れたマンションで待っていたのは、兄の恋人だと名乗る綺麗で乱暴で凶暴な男・木崎智也(攻)だった。「お前は逃げた春樹が戻るまでの人質だ」と脅され、仕方なく智也と暮らすハメになった秋人だが、兄に振られて傷つく智也を慰めるうちに、うっかり抱いてしまい…!?
 期待の新生☆成宮ゆり×紺野けい子で送るイマドキ青春ラブ・グラフィティー!?
【感想】
 大学一年の秋人は実家を出て、兄の春樹の所に居候をする予定だったが、春樹のマンションの部屋に辿り着いたと思った途端に、玄関ドアから伸びてきた手に強引に引きずり込まれた。
 驚く秋人だが、そこに居たのは兄ではなく見ず知らずの男が居て。しかも彼、智也は春樹の彼氏だと言う…数年前に家族全員の前でカミングアウトして父親を寝込ませた兄だったが、最近は女性と付き合っていると思っていたのに…常識的な秋人には理解したくない状況だが、智也は春樹が戻ってくるまで人質にすると言い出して――!?

 奔放な兄と苦労性な弟の対比が面白く、また智也の「勉強が出来て、苛められたから喧嘩も勉強して強くなったら何時の間にかチームの頭になっていた」と言う、なまじっか頭がいいからか、軽く天然な所がツボでした。
 そんな智也に最初は戸惑い怯えながらも、次第に惹かれていってる秋人は、生粋の苦労性。こういう性格って一朝一夕では出来上がらず、春樹が常識に囚われない人柄だから、弟が人一倍常識的になるんだろうなぁ…と言う典型に見えて読んでる間中、何というか同情しつつも笑えました。
 成宮ゆりさんは今作がデビュー作との事ですが、次作が楽しみな作家さんになりました。

評価【★★★★★☆☆】
『たったひとつだけの恋』 月上ひなこ
たったひとつだけの恋月上ひなこ / 山田ユギ
幻冬舎 ルチル文庫
533円 (ISBN4-344-80877-0)
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【あらすじ】
 江戸友禅作家・古森健二は30歳。麻生佑一の弟子だった健二は佑一の息子・日比野晃を子どもの頃からかわいがっていた。晃は高校生になった今も無邪気に健二に甘えてくる。ある日、晃にヤクザの愛人だと噂の同級生・日和を置いてほしいと頼まれる。仕方なしに承諾した健二の前で、日和は晃にやたらと迫っている。そんな二人を見て面白くない健二だったが……。
【感想】
 古森健二は16歳で麻生佑一の弟子になり、2年前に独立するまで12年間を麻生と彼の息子の晃と、麻生のパートナーの暁也の四人で暮らしてきた。特に晃は実の弟の様に可愛い存在だ。
 彼にとって晃は幾つになっても守ってやりたい存在、彼女が出来てもついつい晃を優先してしまうせいか長続きがしない。そろそろ自分も子離れを…と思いつつ、まだもう少し先でいいかと思ってしまう。そんな健二に晃もよく懐き、独立したと言っても晃達の家から5分程の近所の健二の家にはちょくちょく遊びに来る。そんな晃がある日、家出した同級生の日和を暫くの間置いてほしいと頼んできて…健二と晃と日和の奇妙な同居生活が始まるが――。

 友禅作家シリーズ三作目。でも前作を読んでなかったのですが…後ろのページにあった前二作の広告で何となく話が読めたので違和感なく楽しめました(え?)
 話の展開は目新しい感じではなかったですが、日和の家出の理由やらが最後の最後まで読めなくてそれなりに楽しめました。ただ、そのせいか日和と彼の保護者の芝山の方の話に注意が行ってしまって、肝心の健二と晃の関係は割とアッサリ進んでしまった感が残ったのと最後の方は全体的に駆け足気味に感じたのが残念。
 ついでに言うと、久々の山田ユギさんのイラストは楽しかったのですが健二が少し若く見えすぎた感じで…私の個人的な好みから行けばもう少しくたびれた感があった方が嬉しかったなぁ…というのはマニアックすぎますかね(苦笑)。

評価【★★★★☆☆☆】
『砂漠の真珠』 いとう由貴
砂漠の真珠いとう由貴 / せら
心交社 ショコラノベルズHYPERE
850円 (ISBN4-7781-0294-0)
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【あらすじ】
 母が王族の妾となり、アルディビル王国へ来た芳澤悠斗は、母の死後、酷い扱いを受けていた。難題を言い付けられ市場を彷徨っていた悠斗は、身なりのいい美形の男性ジャラールに声をかけられ、館の主人の情報と引き換えに悲惨な境遇から救って貰う約束をする。密会を重ねるうちに悠斗は優しいジャラールに好意を抱き、またジャラールも健気な悠斗を愛するようになる。ある日、召使いに襲われそうになった悠斗は、ジャラールのもとへ逃げるが――。真摯な愛を捧げる少年と情熱を秘めた王子のラブ・フェアリーテール。

【感想】
 悠斗は幼くして父を亡くし、6歳の時に銀座でホステスをしていた母がアルディビル王国の王弟ハムダーンに見初められ半ば無理矢理に妾にされた時に共にアルディビル王国に来てから既に11年。悠斗に優しかった母は9歳の時に亡くなり、以来、外聞が悪いからとそのままハムダーンの家で育てられてたが、その生活は召し使い達に苛められ、奴隷の様な生活を送る日々。そんな悠斗の唯一の希望は成人したらハムダーンの家を出て日本に帰る事。
 そんな悠斗だが、今はまだ虐待される日々。ある日、市場に行って蜜柑を買ってくるよう言い付けられ途方に暮れる悠斗の前に現れたのは立派な身なりの男性ジャラールで、彼は悠斗に蜜柑を手に入れてあげられると言うが、それには条件があって――。

 ついつい買ってしまっては敗北するアラブ物ですが、懲りずに買ってます。
 今回は雰囲気としては「落窪物語」や「小公女」的な要素(設定違いますが主人公が苛められてるのが…)を感じました、とにかく悠斗が苛め抜かれていて、それをジャラールが不憫に思っていながら、なかなか助けてやらない辺りが…(苦笑)。
 アラブ物としては、ジャラール殿下が本当のアラブ人として描かれていた(金髪だったり青い目とかしてなかっただけですが)のでその辺りでは違和感なく、結構楽しめて読めました。
 この作品、どうもシリーズ物のようで、他に3作出てるようなので他のシリーズも読んでみたくなりました。

評価【★★★★☆☆☆】
『マイ・ガーディアン』 李丘那岐
マイ・ガーディアン李丘那岐 / やしきゆかり
幻冬舎 ルチル文庫
552円 (ISBN4-344-80669-7)
Amazoを見る bk1を見る

【あらすじ】
 高槻春也は、養護施設で高校まで育ち、夢だった小学校教諭として働いてきた。ある日、かつていた施設の嫌な噂を聞いた春也は、証拠をつかむため施設に戻ることに。しかし施設で一緒に育った幼馴染みで弁護士の在田功誠に反対される。手助けして欲しいと頼む春也に、その条件としては功誠は「抱かせろ」と……。子供の頃から功誠のことが好きだった春也は功誠に抱かれるが――!?

【感想】
 5歳の時に両親を事故で失った春也は、天涯孤独だった為、養護施設「星楓園」で育った。園には同じ様に親が居ない子供が沢山居て、優しい園長のもと、彼らと兄弟の様に育った春也は苦学の末に、今では子供の頃からの夢であった小学校の教諭として東京で働いている。
 そんな春也の、もう一つの子供の頃からの夢は「お父さんになること」…しかし27歳になった今でも相手が見つからない訳でもないのに独身なのには理由があって…春也は同じ養護施設で幼い頃から共に育ち、今では敏腕弁護士として活躍している功誠に秘かに思いをよせていた…そんな気持ちは決して言葉に出来ないと思いながら…。
 しかし、ある日同卒で今では都内で美容師となっているサトシから「星楓園」の悪い噂話を聞き…すぐに確かめに言った春也の目に映ったのは、何処か怯えた様な園児達の姿で…。
 教諭を辞めて、園の職員として働きながら証拠を掴もうと決意する春也に廻りは反対するが春也の意志は固く…自分は内部を探るから、外から調べて欲しいと功誠に頼む春也に対して功誠が出した条件は思いがけないもので――。

 先日『くちびるに愛の歌』が予想外に面白かったので、以来一人で「李丘那岐フェア」を開催中です(笑)。
 何というか、読む度に作品の雰囲気の違う作家さんだなぁ…と思いました。いや、面白かったです。決して軽くないテーマを選びつつも、重くなりすぎない感じで、春也や功誠にサラリと心に染みる台詞を言わせてる辺りが何とも…。
 ただ、これは前に読んだ『天使たちのアフターヘヴン』でも思ったんですが、何となく終わりきってない感が残ってしまったのでした。まだまだ彼らの事を読み足りてないと言うか、話がとても駆け足すぎて、その途中に色々なエピソードが詰まっていそうな含みを感じたと言うか…。
 後は主人公以外にもとても気になるキャラが居て彼らのその後が気になるぞー!と言うのも同じでした(苦笑)。因みに今作では、春也や功誠と同じ養護施設出身で兄弟の様に育った、美容師のサトシと俳優の淳之が気になります…彼らも何かその後がありそうな雰囲気だと思ったのは私だけでしょうか…。
 今作もグイグイ読ませるパワーみたいなのがあって、一気に読めたんですが、ページが足りてない感が残ってしまったのが、面白かっただけに少し残念!続きが出てくれたら買います。

評価【★★★★★☆☆】
『罪つくりな契約』 結城一美
罪つくりな契約結城一美 / かすみ涼和
プランタン出版 LAPIS文庫
533円 (ISBN4-8296-5278-0)
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【あらすじ】
 利哉は事故に遭って入院中の妹のために鷹津川医師を訪ねる。妹が主治医に拒否反応を示したので、筋金入りのシスコンの利哉は最初に手術してくれた鷹津川に担当を代えてくれるよう頼むが、鷹津川は利哉の献身的な態度に不信感を持ち断られてしまう。食い下がる利哉に苛立った鷹津川は諦めさせようと「君を抱かせろ」と、あえて酷い言葉を投げかけるが、悩みぬいた末に利哉は取引を受け入れてしまった。鷹津川も後に引けなくなり、ふたりは関係を持ち始めるが――。

【感想】
 柘植利哉は、10年前に利哉が高校1年、妹の美雪が3歳になったばかりの頃に両親を事故で亡くし、その後、親代わりだった祖父母も3年前に相次いで亡くし、今では兄妹二人きりの家族となっていた。
 そんな利哉の元にある日、美雪が交通事故にあったと病院から連絡があり、慌てて駆けつけた利哉だが、美雪は手術中で…このまま美雪まで失ってしまうかも…と慄然とするが、手術は無事終わり安堵する利哉。だが、一般病棟に移った美雪が主治医に慣れず…その理由は主治医が中年の男性に代わったせいで…幼い頃より祖父と兄に育てられてきた美雪は父親の世代である中年の男性に普段から慣れなく、一種の自家中毒を起こしてしまうからだった。
 美雪は手術の後、初めて目が覚めた時に居た執刀医の鷹津川弘秋に担当してほしいと希望し、兄としは何とか妹の希望を叶えてやりたいと、鷹津川に頼むが、鷹津川からはけんもほろろな応答しかなく……。それでも諦めずに直談判する利哉に鷹津川から出たのは思いがけない提案で――!?

 結城一美さんらしい作品だったなぁ…と思いました。
 こう、話の内容はベタと言うか割とシンプルな設定で、先は読み始めてすぐにだいたい予測できるんですが、それを最後まで飽きさせずに読ませる力のある作家さんだなぁ…と思います。
 今作も、家族がたった二人きりになってしまった年の離れた妹の美雪を溺愛する利哉と、兄妹は沢山居ても幼い頃から常に競い合い相手を蹴落とそうとする様なギスギスした家族関係の中で育ち、家族に対して嫌悪感しか抱けない鷹津川との対比が面白かったです。
 鷹津川が妹に必死になる利哉を見て、無性にイライラする様子からは彼の深層心理が垣間見える感じがして、読み応えがあったと思います。

評価【★★★★☆☆☆】
小説リンクス 2006年12月号
小説リンクス06年12月号 全体的にコレ!とまで残るのは無かった感じですが、どの作品もそこそこ面白く楽しめる内容で全部読めました。
 何となく、双子物が多かったなぁ…と思ったのは双子ネタが2作品あったからですね。
 私としては、現代物よりあと1、2作ファンタジーとか歴史物とか現代物以外が読みたかったなぁ…と、結局ファンタジーが『月宮を乱す虎』のみだったので、少し物足らない感が残ってしまいました。


小説リンクス 2006年12月号
特集:『おしおき』 やんちゃなキミに愛のムチ♪
『いけない戯れ、甘美な罰』 環レン

【NOVEL】
『月宮を乱す虎【前編】』 和泉桂(佐々成美)
『オープニング』 高槻かのこ(DUO BRAND.)
『恋を知っている』 火崎勇(ヤマダサクラコ)
『ためらいは吐息に溶けて』 南野十好(一馬友巳)
『遠い花火』 可南さらさ(金ひかる)
『I love you, baby.』 谷崎泉(木村屋かこ)
『息もできないくらい』 きたざわ尋子(笹生コーイチ)
『かくも強引な彼に俺は』 義月粧子(朝南かつみ)

【COMICS】
『花は初恋に綻びる【中編】』 小路龍流(原作/柊平ハルモ)
『コルセーア Act.8』 御園えいり(原作/水壬楓子)
【「月と茉莉花」シリーズ 完結記念特集!】
『ぬくもり』 佐倉朱里(雪舟薫)

↓以下は私が読んだ作品の、勝手なあらすじと感想です。ネタバレ注意!

『月宮を乱す虎【前編】』
 『神獣異聞』シリーズ、波乱の幕開け!
 この危険な想いはどこからくるのか、この憎しみはどこへたどりつくのか
 互いの身を滅ぼすほどの熱い想念が今、交錯する――

 陽都六州の西方に位置する磬は国土の西半分が砂漠に覆われており、白虎の加護を受ける王が治める国だ。だが、前の王は白虎の加護を受けない者がなり、故に国土は荒れていた。
 そんな王を倒して新たに王位に就いた史壮達は白虎の加護も受け、少しづつだが平穏が戻りつつあった頃、王の一人息子の10歳の翠蘭は父の代理として訪れた北州県で役所で見習いをしていた16歳の劉奎真と出逢う、猜疑心の強い父の元で同世代の友達も居なかった翠蘭にとって、奎真は初めて出来た友人と言えたが、数年後再び再会した二人の立場は遠く離れてしまって――。

 2006年4月・6月号に載っていた『花を秘する龍』のリンク作と言うのは読み始めてすぐに気が付きましたが、先日読んだルチル文庫の『宵待の戯れ~桃華異聞~』とも世界設定が同じなのに、暫く気が付きませんでした…そうか、それでは『花を秘する龍』と『宵待の戯れ~桃華異聞~』もリンクしてるのね~~~と、それから気が付きました(遅)
 『神獣異聞』シリーズとのことで、シリーズ化されるみたいですね。前作はワクワク・ハラハラ楽しめて読めたんですが、今作は翠蘭が余りにも健気で、切なくて読んでる間は苦しかったです。個人的に「切ない」お話は好きなんですが(内容により、また最後には出来るだけハッピーエンド希望)…今作は「前編」という事で終わってません…。
 どーなるのか、先が全く読めないまま終わってしまいました。これで二ヶ月後まで待たないとってのは正直キツい…やはり前後作品は後編が出てから読むべきだとしみじみ思いました…でも中華風ファンタジーって好物なもんで我慢ができなかったんです。

『オープニング』
 俺の愛している恋人には、他に好きな男がいる…。
 海依華はバイト先の上司の石岡の事が一緒に働くうちに好きになっていたが、同性に対して告白できる筈もなく、片想いのまま。しかし、ある日二人で食事をしていた時に石岡が学生時代に同性の親友に片想いをしていたと聞き、「俺にしない?」と思わず誘ってしまい。石岡に重たく感じてほしくなくてつい「自分も片想い中だけど、叶わないってわかってるから、恋人ごっこしよう」と他に好きな人がいると嘘をついてしまい…。しかし、つきあい始めてしまうと、石岡は華を本当の恋人の様に接してくれて、つい幸福感から偽りの関係だという事を忘れるくらいで…ついつい兄の森に石岡を恋人だと紹介してしまって…つくつもりもない嘘を重ねるうちに、自らの言った嘘に縛られていって――。
 火崎勇さんらしい繊細な心理描写がとても丁寧な作品でした。
 こういう何気なくついた、些細な嘘が自分を苦しめていく事ってあるよなぁ…と共感できる内容で、だいたい話の筋は途中で見えましたが、それでも楽しく読めました。
『遠い花火』
 近くて遠い、愛しい存在――
 幸せなんて言うものは、いつも遠くで輝いているだけで、決して自分の手には届かない。
 まるで遠くで鳴っているだけで、姿は見えない花火みたいに(本文抜粋)
 

 安井康平は幼馴染みの矢野旭日から、大学に落ちたと聞いて愕然とすr。私立の付属大学で内部受験で成績が良かった旭日がまさか落ちるとは思っていなかったからだ。
 旭日は地元では知らぬ者のいない大きな自動車製造会社の社長を父に、元女優の母もカリスマ主婦としてTVにもよく出ている様な、いわゆる資産家の令息。一方、康平は旭日の父の会社に万年平社員として勤める父を持ち、両親と二人の兄と妹の六人で狭い社宅で暮らすごく庶民の出。そんな普通なら接点のない二人だが、小学校一年の時に社宅の夏祭りで出逢って以来、人見知りの激しい旭日が、康平にだけは懐いたのもあって、旭日の父からの覚えも目出度く今まで幼馴染みとして関係は続いている。
 大学に入学したら東京に出る予定だったが、旭日が入試に失敗したとなると、その予定も変更されるだろうと言う康平に対して、浪人しても東京には行くと言う旭日。さらに父親から康平が同居するのを条件に新宿にあるマンションを貰ったので、家賃はタダでいいから一緒に住んで欲しいと言われ…承諾する康平の心は複雑だ。何故なら康平はずっと、旭日の事が好きだったから――。

 康平の男としてのプライドと、旭日に対する先入観と旭日の性格が、少しづつお互いに対してのズレを生んでいってしまう様がその後の旭日の秘密を知った後は切なかったです。
『また あした』 町屋はとこ
また あした町屋はとこ(Machiya_Hatoko)
リブレ出版 Superビーボーイコミックス
590円 (ISBN4-86263-057-X)
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【あらすじ】
 ――家に荷物を届けにきた年下の逞しい働く「男」――。
 自分をかばったせいでケガをしてしまった間中に、謝罪をしたいと家を訪ねる木下に思わぬ展開!?
 一度きりのはずだったのに、交わす小さな約束「また明日」…。
 いつしか、泣きたいくらい、体が欲情に熱くなる♪
 肌(エッチ)で愛を感じ合う――不器用な大人の恋情・リーマン大全集!!

【感想】
『また あした』
 女性に興味が持てない性質のサラリーマンの木下は、家に荷物を届けに来た配送業者から荷物を受け取っている時に、家の中に積んであったダンボールが崩れた所を、配送業者の間中に庇われる。結果として木下は無事だったが、間中は足首を痛めてしまった。
 庇われた時にろくにお礼が言えなかった事が気になり仕事も手に付かない。何とかお礼をしたいと思うが――。

 何というか、庇われた時に抱き込まれた間中の、胸の中の感覚が忘れられずにドキドキして、「お礼」という口実を作って連絡を取り、何時しか家に遊びに行く中になる…要するに木下の間中に対する一目惚れ以外の何者にも見えない事を一生懸命「お礼」と言って、自分の気持ちに無自覚な所がけなげと言うか一途というか、少しおバカと言うか…微笑ましかったです。
 『また あした』の続編『あしたのつづき』と『引っ越し』も面白かったです。

『ア・ロット・オブ』
 堀内は二週間前に一年後輩の仁村から「あなたが好きです」と告白された。
 以来、何度拒絶しても強引にキスされたりと激しいスキンシップ攻撃にあっている。
 会社も部署も一緒で、住んでる場所も同じ独身寮だから告白されたからと言って距離を置ける状況でもなく、何でもない顔をしてつきあっているが、仁村の何気ない行動に狼狽えてしまっている堀内がいて――。

 恋に臆病な堀内が、突然同僚に告白されて狼狽えつつも次第に惹かれていってる様子が初々しくてよかったです。
 また拒絶されてもへこたれずにアタックする仁村のファイトに乾杯!(笑)
 その後の二人の『愛は降り積もる』も仁村の視点から堀内が見れて、彼が堀内のどういう所に惚れたのかが、伝わってくる感じでよかったです。

『やっかいな恋と君』 
 サラリーマンの藤井は上司の部長に淡い片想いをしている。だが、そんな部長は妻子がいるにも関わらず合コンが好きで浮気の常習。そんな部長を見て、自分がもし女だったら一度位、自分を抱いてくれたかもしれない…と切ない思いで見つめる藤井は後輩の榎木田から「部長の事が好きなんですよね?」と言われて動揺する。
 必死で否定しながら警戒する藤井はさらにその榎木田から告白されて、次の日から何故か、好きな筈の部長の顔が見れなくなって――。

 藤井のストイックな雰囲気が激しく私好みでした。
 眼鏡が凄く似合ってますね!(興奮)
 しかも格好いい筈なのに、読んでいくウチにどんどん可愛く感じてくるのもヨカッタです♪
 ただ、仕事が出来る雰囲気の藤井さんですが…何歳で、何の業種の会社にどういう立場で働いているのか…とかの説明が無かったので少しイメージが弱くなってしまったのが残念。
 その後の『やっかいな境界線』は社内恋愛のしかも上司と部下としては避けられない所かなぁ…と思いつつ、これまた藤井さんが可愛くて楽しめました(私、榎木田を軽く無視してるなぁ;榎木田も好きなキャラなんですが、それよりも藤井さんがツボだったのです)
 町屋はとこさんは、先日雑誌で読んでから気になっていた作家さんですが、絵とストーリーの雰囲気が好みだな、と再確認。
 ただ、Hシーンが思っていた以上に激しかったのには少し驚きました。別にいいんですが、話がほんわりとした感じだったのでギャップがあったかなぁ(苦笑)。
 どの作品も楽しく読めたんですが、舞台設定とか人物紹介とかの辺り等で少し説明不足に感じた部分が所々あって、少し話に入り込みづらかったと言うか、各々のキャラの人物像が曖昧になった感があったので、その辺りはもう少し突っ込んだ説明が欲しかったなぁ…と思ってしまいました。
 3つのカップルのお話でしたが、どれも設定が微妙にかぶっていた(年下攻で誘い受な所とか)のは町屋さんの好みだったんですね(笑)。でも、三人三様なキャラだったので、それぞれ楽しめました!それに作家さんが描きたいのを描かれるのが一番いい作品になると思うので、今後もこの路線で、出来ればサラリーマン物で描いていって欲しいです。
 デビュー作なので、今後が楽しみな作家さんになりました。

評価【★★★★☆☆☆】
『混線ラブノット』 高月まつり
混線ラブノット高月まつり / 稀ノ川むつみ
オークラ出版 アクアノベルズ
857円 (ISBN4-7755-0554-8)
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【あらすじ】
 結婚相談所に勤めている由利は、入会希望として現れた美形外国人・ジャックを担当することになるが、その男は超電波系だった。
 誰もが振り返るほどの美貌とホテル王の息子という背景を持ちながらも、彼の言動と行動はアヤシイものばかり。
 親交を深めたいと呼び出された料亭ででは、次の間に布団が敷かれている始末。
 「日本では、体を張って仕事を取るということがあるそうですね」――そんな言葉とともに押し倒された由利は!?

【感想】
 日本有数の恋人・結婚紹介会社「ラブノット」に勤める水沢由利は父を早くに亡くし、力強く逞しい母と二人の姉との生活の中で、女性に対する夢や希望が壊されついつい「女なんて…」と思ってしまう27歳。そんな状況のせいか、結婚相談所に勤め日々カップルをコーディネートする立場に居ても未だに独身、彼女なし。他の同僚達はほぼ既婚者か婚約者アリの中ではイマイチ形見の狭い状況から異動願いを出そうか考え中。
 そんな由利が新たに担当する事になったのは、アメリカのホテル王の御曹司のジャック・T・スタンリー30歳。最高ランクの年会費を払う「特別会員」の中でも特別中の特別な存在の彼だが、なぜ紹介所に?と思う程の美貌でしかも、初対面から由利を変な言葉で口説いてきて!?
 見た目は王子様なのに、話す言葉は電波の様にクドくて…そんなジャックに押し倒されて――。

 「おでこちゃん」と愛称される由利は見た目は「いい男」でも性格はパワフルな二人の姉と母親によって形成された「権力者には無条件で従います」系苛めてちゃん気質。そんな由利が見た目はナイスガイでも話し出すと痛いジャックにアレよアレよと言う感じで流されていく様は、読んでいて面白かったです。
 雰囲気としては同じ高月さんの作品の『ボディーガードは口説かれる』に設定などやキャラが被ってるなぁ…と思いましたが、なので、実はジャックが由利に一目惚れ…と言う辺りが少し違和感がありまして、イマイチ話に乗りきれなかった部分はありました…。弾け具合からしても私としては『ボディーガードは口説かれる』の方が面白かったですが…この作品はサラリと読める感じでした。

評価【★★★☆☆☆☆】
『天使たちのアフターヘヴン』 李丘那岐
天使たちのアフターヘヴン李丘那岐 / 黒江ノリコ
白泉社 花丸文庫
571円 (ISBN4-592-87314-9)
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【あらすじ】
 工業高校に通う明るく人気者の宗像幸は、中学時代、親友の葛西亮輔や、ヤクザの息子で幼なじみの寺内織也たちと「ヘヴン」というチームでつるんでいた。だが、敵対チームの男に幸が襲われ、葛西が犯人を刺す事件が起こり、「ヘヴン」は解散し、葛西は幸を避けるようになる。今では葛西と織也はそれぞれ「ボーダー」と「吉祥」というチームを率いているが、最近、対立を煽る嫌がらせが頻発し…。

【感想】
 宗像幸の住む街は、大きな川を挟んで東地区と西地区とに別れている。東地区は私鉄の始発駅を中心とした商業の街で、辺り一帯の流行発信血と言っても過言ではなく、買い物客や近隣の地域からの人混みで常に賑わっているが、それらの人はみな他人といった何処か冷めた気風の地区だ。対して西地区はJRの基幹駅を抱える大きな街で、表面的には無機質なオフィス街だと思われがちだが、少し奥に入ればお祭り好きな、歴史の古い職人の町という顔を持ち、人の結びつきが強い地域でもある。
 幸はその西地区に住み、地域で一番ガラの悪い舞浜南商業高校の建築科に通っている。同じクラスの寺内織也とは家が隣同士で幼馴染み、その他、葛西亮輔と丹沢と、あと一人、矢田と言う現在は進学校に通っている5人は中学時代、公園の片隅で「ヘヴン」というチームでつるんでいた、しかし中学三年の時に葛西がシメたグループの男から逆恨みされ、幸が襲われた事件を契機に葛西は幸から一定の距離を置くようになって…。以来グループは自然解散となり、今では葛西と寺内はそれぞれ東と西のチームのリーダーとなっている…。
 襲われた事件を過去の出来事として、乗り越えられた幸と、未だにそれに囚われている葛西。なんとか葛西にも乗り越えて欲しいと願う幸だったが――。

 「チーム」とか「不良」とか、拳と拳での勝負とか…なんだか昔の少年漫画を読むような、懐かしい香りのする作品でした。
 未だにこういう不良クン達っているんでしょうかね。私はこういう雰囲気の作品、大好きなんですが…。何となく、吉原理恵子さんの作品を彷彿とさせると思ったのは『渇愛』とかの雰囲気に通じる感じを受けたのかも。
 李丘那岐さんは先日読んだ『くちびるに愛の歌』が面白かったので他の作品も読んでみたくなり購入。この作品も面白くて一気に読んでしまいました。
 今作では、チームで一番のベビーフェイスで可愛くて、でも腕っ節は一流、性格も男前な幸と、見た目はライオンの様なお洒落でこれまた喧嘩に強い、でも過去の出来事に何時までも囚われてしまっている葛西との関係が面白く、その他にも幸の幼馴染みでヤクザの跡継ぎだから進学校にも通える頭脳を持ちながら、工業高校に進学した、寝る時に着物を着てる様な織也…強面の彼の事を幼馴染みの幸だけが「しぃちゃん」と呼ぶのもツボでした…や、情報通の丹沢と、グループ内で一番腕っ節は無いけれど、ずば抜けた頭脳を持ち、何故か常に敬語で話し日本人形の様な容姿を持つ矢田と言った「ヘヴン」の5人のメンバーそれぞれがイイ味を出していて読んでいて飽きませんでした。
 私としては、彼らの話はもっと読んでみたいナァ…次は是非とも織也の話を!!矢田とくっついてくれたらナァ!!と、読後に色々思ってしまいましたが、続編はもうないですかね…。

評価【★★★★★☆☆】
『恋はギャロップで』 檜原まり子
恋はギャロップで檜原まり子 / 香雨
白泉社 花丸文庫
648円 (ISBN4-592-87288-6)
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【あらすじ】
 私立J医大に入学した笠井良は、馬術部の副主将・牧之瀬拓海に入部の勧誘を受けた。ノーブルな美貌の牧之瀬に初恋の人の面影を見出し、笠井はその場で入部を決める。部活を通じて馬の愛らしさや乗馬の楽しさに魅せられた笠井は、牧之瀬と一緒の試合に出ることを目標に練習に励む。牧之瀬も、明るくまっすぐな笠井の姿に心が癒されるのを感じ…。
 大学馬術部を舞台にしたさわやかな青春グラフィティ!

【感想】
 笠井は山梨から私立J医大に入学したばかりの医学生。入学した日に各部活の勧誘の中から、馬術部を選んだのは、初めて馬で走る感覚がまるで好きなバイクで走るのと同じ感覚だったのと、もう一つには5年生で副主将の牧之瀬に、懐かしい人の面影を見たからだった。
 その後、下宿も牧之瀬の隣の部屋に住むことになり距離はどんどんと近づいていくが、知り合う中でも何処か牧之瀬には他人と線を引く部分があり…しかし、牧之瀬との時間を共にするウチに少しづつ彼に対する気持ちが、憧れや懐かしさなのではない事に気づいてきて――。

 なんか、粗筋が殆ど本に載ってるのと被ってしまった…、あんまり書くとネタバレになるしなぁ…毎回これが一番苦労してます(の割に下手ですが;)
 久々に檜原まり子さんの作品を読みましたが、今作は特に医学生でなくてもよかったなぁ…と思わせる内容であったかと…。でも、医療関係が檜原さんの得意分野なんで、そうなったのかもですね。
 私は基本的に動物が出てくる作品が好きなので、今作は馬の魅力が沢山紹介されていて、それだけで読むのが楽しかったです。
 牧之瀬に隠された秘密は、だいたい途中で解りましたが、彼の心に刻みつけられた傷を笠井が優しく包み込むように寄り添う様子はジンとしました。

評価【★★★★☆☆☆】
『さよならヘヴン』 榊花月
さよならヘヴン榊花月 / 紺野キタ
幻冬舎 ルチル文庫
533円 (ISBN4-344-80765-0)
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【あらすじ】
 18歳の笹尾実景が学校にも行かず、ひきこもりになったのは中学
のころのいじめが原因だった。ある日、実景が心の拠り所にしているアーティストが好きということで、姉に同僚の藍川修一を紹介される。藍川は端正な顔立ちに似合わず、穏やかな男だった。藍川といる時間が楽しい……そう思い始めた実景は、やがて藍川に恋をしているのだと気づき――。

【感想】
オススメ!
 実景は中学一年の時に同級生からのいじめにより母と姉の家族以外の「外」の人間を信用することができなくなり以来5年間、月一回のクリニックへの受診日を除き家から出ない生活をしていた。そんな生活を送る実景の心の支えは「エデン」と言う、アーティストの作る曲。エデンの曲をヘッドフォンで聴きながら部屋で本を読むだけの日々。そんな実景の前にある日、酔い潰れた姉を連れて帰ってきてくれた、姉の会社の上司の藍川が「エデン」のファンだと知り…今まで「外」の人間に興味を抱く事のなかった実景だが、何故か藍川に対しては「外」という警戒心が沸かなくて――。

 「いじめ」と「ひきこもり」という重い設定でしたが、実景が少しづつ「外」の世界へと一歩ずつ踏み出していく心の変化がとても繊細に描かれていて一気に読めてしまった感があります。彼が何故、人を信じる事ができなくなったのか、そして今どういう状況なのかと言う所から、少しづつ変化していく気持ちが丁寧に表現されていたと思います。
 最後は希望を持てる終わり方で、ホンワリと暖かい気持ちになれました。
 もちろん、実景にはこれからもまだまだ乗り越えないといけない壁がたくさん待っているのだと思うのですが、藍川や家族に支えられて一歩ずつ進んでいくんだろうなぁ…と、思わずそんな風に頑張る実景も読みたくなってしまいました。

評価【★★★★★★☆】
『わからずやの恋人』 ごとうしのぶ
わからずやの恋人ごとうしのぶ / 麻々原絵里依
角川書店 ルビー文庫
480円 (ISBN4-04-433608-3)
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【あらすじ】
 総合インテリア会社に勤める七瀬浩之は、天才デザイナー沢地淳の担当特務に大抜擢されるが、こともあろうに、沢地先生に会ったとたんに一目惚れ。
 中性的な顔立ち、ガラス細工のような瞳……が、沢地の左目は義眼であった。「沢地さんの“左”は俺が守ります」と宣言する浩之。沢地の秘密……確かめたくて、いつかわがままになる恋がある。

【感想】
 七瀬浩之(25歳)が新たに担当する事になったのは、ファニチャー専門のデザイナー沢地淳(31歳)。浩之の勤める総合インテリア会社『T企画』でも異才を放っているのがこの沢地淳だった。浩之の所属するのは集中管理課と言うデータを元に様々な仕事にどの人材を派遣するかを検討する部署だが、その中に“特務”と言うセクションがある。特務に就いている限り定時出社の義務もなく、給料もいきなり倍額になる等の様々な特権が与えられるその業務内容は沢地専属の担当役だった。社内で唯一、無期限で出社義務のない沢地と会社との連絡になるこの“特務”には過去に担当した者が次々に栄転していくと言うジンクスがあるが中でも浩之は過去の担当者達に比べ年齢的に若手で会社の期待を一心に背負っていたが、そんな浩之と沢地との初邂逅で浩之は沢地に一目惚れし…。一方、沢地も浩之の前向きな性格に惹かれていき…しかし沢地には長年、義理から付き合っていた相手がいて――。

 最近、甘い感じの作品を多く読んだせいか、久々にしっとりとした作品を読みたくなって、ごとうしのぶさんの「ロレックスに口づけを」が無性に読み返したくなって探したけれど、見つからず…(整理整頓が出来てない…)でも気分はもうごとうしのぶさんだったので結局この作品を読み返しました(なんじゃそりゃ)。
 2002年9月発行の作品です。もうそんなに経つんですね…普通についこの間、購入した気分ですが…作中、携帯電話が出てこない代わりに公衆電話で連絡をする所なんかは時代かもしれません。
 何というかギラギラしていなくて、小さなすれ違いをしながらも、その都度、お互いに対する気持ちを確かめていく様子がとても不器用に感じながらも好感が持てる…淡い色合いを感じる恋のお話で読後感は良かったです。

評価【★★★★★☆☆】
『GROW~火照り~』 妃川螢
GROW~火照り~妃川螢 / 青海信濃
二見書房 シャレード文庫
533円 (ISBN4-576-04014-6)
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【あらすじ】
触れた肌の隙間から生まれる、欲情の火照り
 クレジットカード会社の総務部で地味に真面目に働いてきた多岐川志信は、なぜかカード犯罪調査部への異動を命じられてしまう。しかも、スキミング犯罪の操作で潜入したのは、男ばかりが集うゲイ・バー! 客に言い寄られて焦る多岐川を、バーテンダーが「彼は俺の獲物です」と牽制して助けてくれる。どこか危うい空気を纏ったその男・人から、スキミングの情報を得ようとする多岐川。だがジンにも何か裏の顔がありそうで…。互いに秘密を抱えた恋の駆け引きは、いったいどちらが勝者となるのか!? 正体不明のバーテン×初心なカードGメンの、スリリング・ラブ。

【感想】
 カード会社に勤める志信は長年勤めて来た総務部から、異動によって調査部へと勤務内容が変わって半年、まだまだ調査員としては新米の志信だが、新たに任された仕事はスキミング犯罪の操作と言うものだった。
 “スキミング”とはカードに記載されたデータのみを盗み取り、偽造カードを作って商品を購入し、監禁するというもの。データと言う目に見えない物を盗まれる為、被害者は利用明細が届いてはじめてその事実に気が付く場合が殆どと言う犯罪だ。志信はその被害が急激に増えた為、データを盗んでいる“現場”を探し出す為に怪しいと疑われた店への潜入調査中…だが、その店は何とゲイ・バーで――!?

 志信の年齢設定が30代と言う事で、一応は年下攻でしたが、話の展開からは余り年齢差は感じなかったなぁ…と年下攻好きとしては少しガッカリ(苦笑)。
 カード犯罪の調査部でのスキミング犯罪の調査と言うのが、少しピンと来なくて…正直そこまで詳しく調査するかなぁ…と、かなり巨大な組織犯罪って解った辺りで警察に任せてしまうんじゃないかなぁ…と。カード会社も忙しいし、個々の詐欺犯罪とかの調査で忙しいはずだから、大きな事件性の犯人探しまではするか?とか思ってしまい話に乗りきれなかった所が少しありました(残念)。
 まぁ、フィクションなのでどれだけ話に乗りきれるかで楽しめる度合いが変わってくるのですが、二時間ドラマチックでそれなりには楽しめました。

評価【★★★☆☆☆☆】
『みだらな恋人』 ななおあきら
みだらな恋人ななおあきら / 門地かおり
ビブロス ビーボーイノベルズSLASH
850円 (ISBN4-8352-1600-8)
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【あらすじ】
 「すみません、許してください!!」
 借金取りからバイクで逃走中、超高級車のドアに大激突!!
 震え上がる浩志の前に現れた車の持ち主は、ダークスーツをばりっと着こなした、迫力満点のAV監督・沢渡。家もお金もない浩志に、沢渡から持ちかけられた「修理代を稼ぐためのちょっと気持ちのイイバイト」って……いったい何っっ!?
 カメラの前で、昂り熱くなっていく視線と恋心。ハイパーラブエロス、オール書き下ろし!!

【感想】
 20歳の相沢浩志は高校卒業を機に、中学の先輩を頼って九州の片田舎から東京の下町にある町工場に就職して二年。給料は高くなかったけれども、堅実に僅かながらの貯金もあった。しかし二ヶ月前に虎の子の貯金を先輩に貸した直後に会社が倒産。その上、三日前にはアパートを追い出され、宿無しの浩志の手元にあるのは数千円の現金と質草代わりにと先輩が置いていったオンボロバイクのみ…。先輩とは連絡が取れず途方に暮れる浩志の前に現れたのは、その先輩の知り合いだという質の悪そうな男達で…慌ててバイクで逃げ出した浩志だったが、パニックになり運悪く衝突したのは高級外車のアルファロメオ。弁償を求められた浩志だったが、手持ちは無く正直に告白した所、持ち主の沢渡が提案してきたのは、沢渡が経営する会社の作品に出演すると言う物だったが、その内容は何とゲイ向けのAVで――!?

 浩志が純朴で一生懸命な所が好感が持てました。
 子供の頃に金で苦労した沢渡が、必死で仕事をして子供の頃からの憧れで成功のステイタスだったアルファロメオを手に入れ…と言うエピソードを聞くと、彼にとってアルファロメオと言う車がどれ程、思い入れのある物だったか、またそれを傷つけられた怒りと言うのがひしひしと感じられ、でもそんな怒りの相手である浩志との生活でだんだんと気持ちが和んでいくと言う経過は面白かったです。
 でも、アルファロメオの修理費って恐ろしい金額ですね…くれぐれも高級車との事故はしたくないものです…。
 
評価【★★★★☆☆☆】
『ムーンリット・フォーチュン』 水壬楓子
ムーンリット・フォーチュン水壬楓子 / 白砂順
幻冬舎 リンクスロマンス
855円 (ISBN4-344-80819-3)
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【あらすじ】
 十四年前に両親を殺した男への復讐を誓う傭兵の采駕。男が眞都の王宮で暮らす武官だと知り、眞都を目指していた。その道中、湖のほとりで虹色に輝く鱗を拾う。
 水蛇の一族にとって重要なものであると、取り戻しにきた白ヘビのミトから知った采駕は、麗しい容姿の人間に変身するミトを復讐に利用することを思いつく。だが、旅を共にしている間に、不思議とミトに安らぎを感じ始め……。

【感想】
 24歳の采駕は14年前に辺境の警備兵だった父と母を理由も解らず何者かに殺され、自身も身体に大きな火傷を負いながら何とか逃れた。それからは山賊に拾われ、やがて傭兵になり自分一人で生きてきたが、両親の仇を忘れることは無く…半年ほど前に、一度たりとも忘れたことの無かった仇の男を眞都で見つけ、その男が王宮に仕える武官だと知る。何とか男に近づく為に眞都の宮中に入り込む機会を伺っていた采駕に、王宮内の人間からの依頼があり、しかしそれが失敗に終わってしまい別の侵入方法を考えながらの眞都への帰途の途中、人間へと姿を変える事の出来る白ヘビのミトと出逢う。
 ミトもまた眞都へ向かう途中だった…水蛇の一族の中でミトの様な白ヘビはミトだけ…末っ子で兄妹には愛されて育ったが、ミトはもうすぐ20歳になるのに蛇のまま…兄達はミトの年には既に龍へと変化し始めていたのに…。何とかちゃんとした龍になりたいと色々調べた結果、古い書物の中に水蛇の一族と眞都の王家には何かの契約があり、眞都の王家に伝わる「秘薬」がミトを龍にする可能性が有るかもしれず…その可能性にかけて「家出」をしてきた所だった。そんなミトだが、湖のほとりで大事な鱗を落としてしまい、それを拾ったのが采駕で…返して欲しいと頼むミトに対して、眞都に一緒に行ったら返してやると言われ…お互いの目的は違えども、目標は共に眞都の王宮を目指す二人だが――。

 水壬楓子さん曰くの“不思議動物シリーズ”第6弾です(笑)。
 私はこの動物に変化(動物が変化?)するネタが好きなので、毎回楽しみにしていますが、今回も白蛇のミトちゃん(思わず小動物にはちゃん付けしてしまう)が可愛かったです♪
 話の展開はかなりベタな感じで早くから先が読めてしまったのは少し残念でしたが、白ヘビのミトが采駕にクルクル巻き付いているのとか想像するのは楽しく、チョロチョロと動く様は可愛かったので私としては満足~しかし、爬虫類が苦手な人はダメかもしれないです…好みですね。
 この作品、二段組みで読み応えがあり、また全体的にほんわかとした雰囲気がとても和んで好きです!次作が楽しみな「ムーンリット」シリーズでした。

評価【★★★★★☆☆】
『夜にくちづけ』 名倉和希
夜にくちづけ名倉和希 / 真生るいす
フロンティアワークス ダリア文庫
552円 (ISBN4-86134-155-8)
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【あらすじ】
 映画監督の父と舞台女優の母を持つ高校生・緒川純理は、大晦日の夜、映画会社主催のカウントダウンパーティーでその愛らしい容姿ゆえにしつこいスカウトに追い掛け回されていたところを永野浩一郎に助けられる。自分の性癖で悩んでいた純理だったが、理想を具現化したような永野に一目で恋に堕ち、悩みを聞いてもらってるうちに永野と初Hをしてしまうが……。

【感想】
 緒川純理には悩みがあった、一つは近く迫った高校の修学旅行について…旅行先はオーストラリアなのだが、純理は飛行機に乗った事が無く、また幼い頃に教えられた嘘から飛行機が怖いと言うトラウマがあり憂鬱な日々。もう一つは幼い頃から異性に対して興味を持てないと言う事…。
 そんな修学旅行について現在唯一の家族である父親に相談をしたくて、大晦日に映画会社のカウントダウンパーティーへと参加するが。父親はヒット作を連発している人気映画監督で…その周りには数多くの人が居て、なかなか二人きりで話をするタイミングが見つからない。元々幼い頃に女優だった母を亡くし二年前まで母方の祖母に育てられ、父親とは年に数回会うだけの関係だったので、二年前に一緒に住むようになった後も仕事で忙しく不在がちの父親との親子関係は何処かギクシャクしたもので…。そして、会場ではそんな純理の容姿に惹かれて群がる芸能界関係者ばかりで、一人になりたくてホテルの非常階段に一人で居た純理に声をかけてきたのは、純理の好みのストライクゾーンど真ん中のハンサムな男性で――。

 真生るいすさんのイラストに釣られて購入。
 36歳の飛行機のパイロット・永野と17歳の高校生・純理と言う20歳近くもの年の差カップルで、お互いの年齢や生活がかけ離れた状況なので自然と年上の永野が、年下の純理を可愛がる事になるんですが、この永野が純理を溺愛する様子が、久々に大甘な砂糖菓子の様な作品を読んだ気分になりました(笑)。
 でも何時も食べると胸焼けしてしまう砂糖菓子も、たまに食べると以外と美味しく感じる様で、楽しめて読めました。

 所で、話は作品とは全く関係ないのですが私としては名倉さんが「あとがき」に書かれていた、純理のお父さん(50歳)が主人公になっている同人誌(オヤジ受)の方に強く興味を覚えてしまいました。読んでみたい!…って思ったのは私だけでかねぇ…(苦笑)。

評価【★★★★☆☆☆】
11月分の感想をHTML化
 ASSAMU(小説本の感想)とRUHUNA(漫画本の感想)の11月分をCGIからHTML化への変更を完了しました。

 ASSAMURUHUNAも共に日々の更新は「最近本」というカテゴリーでCGIを利用しています。
 このCGI、わざわざFTPとか使う必要なくて、日々の更新にはとても便利なのですが、個人的にHTML化してバックアップを取っておかないと落ち着かないので(データが突然消える恐れもあるし…過去に一度、突然プロバイダ倒産で経験があるんです…)だいたい一月分をまとめて毎月しています。それに伴いCGIの方は消去していっています。
 この作業って沢山、感想を書いた月は大変ですが…今回は少なかったので楽でした(爆)。

 漫画本は実際にはもっと沢山読んで居るんですが、何故か小説より億劫…。短編が沢山載っていたりすると各々の粗筋を纏めるのが面倒なのかも…面倒臭がりすぎです(反省)。
『獣の啼く街』 いおかいつき
獣の啼く街いおかいつき / 石田育絵
大洋図書 SHYノベルズ
860円 (ISBN4-8130-1141-1)
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【あらすじ】
 風俗が主産業の町で唯一の医師として、闇診療をしながら暮らしている沢渡芳紀は、ある夜、ボディガードを生業にしている青年・と出逢う。その翌日から、劉は「やらせて」の一言で芳紀の診療所に入り浸るようになる。欲しいものは力づくで手に入れ、気に入らなければ腕で黙らせる劉は、自分の欲望に忠実で常識もモラルもない、この町そのものだった。彼にとってセックスとは愛情の伴うものではなく、欲望をはらす行為でしかない。劉に人間らしい感情をおしえたい、そう思った芳紀だが…!?

【感想】
 沢渡芳紀は「金銭ではなく本当に困った人のために医療を施したい」と志を持ち、大病院の長男でありながら跡を姉に譲り、歓楽街の一角に診療所を始めたのが29歳の時、それから三年少しづつだが町に知り合いも増え、生活にも慣れてきたと思っていたある日、往診の帰りに襲われている女性を助けた所を見られたのを切っ掛けに、診療所の近くの風俗店の用心棒である劉に迫られるようになる…劉は父親は誰かも解らず不法滞在の中国人を母に、戸籍もなく学校に行った事もなく歓楽街で生活する無国籍の人々の間で成長した青年で、彼の常識は芳紀の育つ中で培われた物とは大きくかけ離れていて、懲りずに迫ってくる劉に対して最初は一蹴していた芳紀だったが、いつの間にか度々現れては口説いてくる彼との会話を楽しんでいる自分が居て…。

 いおかいつきさんの裏社会を舞台にした作品「真昼の月」が好きなので、この作品も面白そうだな~と思い、次に攻が劉という中国人なのかな?と思い購入。正確には劉は中国人の母を持つ日本育ちの青年でした。
 今作は、外科医としてキャリアも積み志しを持って歓楽街で闇医者紛いの事もする育ちの良い芳紀と、戸籍も持たず母も幼い頃に失い満足に教育などを受けずに育った劉との対比が面白かったなぁ…と思いました。
 余所では誰の命令にも従わず、一度暴れ出すと歯止めがきかない狂犬の様な劉が、芳紀の一言には素直に従う様子は読んでいて楽しかったです。
 ただ、読後は彼らのこの後が凄く気になりました。特に劉は結局の所は戸籍も無いままだし…そういった諸々を彼らがどう乗り切っていくのか…そういう所に思いが行き、この一冊では終わってない感が残ってしまいました。

評価【★★★★☆☆☆】
『抱きしめたまま、ここにいて。』 真崎ひかる
抱きしめたまま、ここにいて。真崎ひかる / 麻生海
笠倉出版社 クロスノベルズ
857円 (ISBN4-7730-0333-2)
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【あらすじ】
 たったひとりの姉との暮らしを守る為に交わした契約――それは愛人になるということ。小さなお弁当屋で働く雨音は、とある誤解がきっかけで、硬質な雰囲気を漂わせる医師・五十嵐に買われる。性的な快感など知らない身体は、優しいけれど強引な五十嵐の愛撫に、ただ溺れるしかなかった。
 自分は愛人だとわかっていたのに、包み込むような五十嵐の優しさに惹かれ始めた雨音は、彼の薬指に光る指輪の存在に苦しめられるようになって……。

【感想】
 20歳の矢吹雨音は二年前に両親が共に突然の交通事故で亡くなった後、大学を辞めて五歳年上の姉の風歌と力をあわせて両親の残した弁当屋「たんぽぽ」を守ってきた。
 「たんぽぽ」は総合病院の近くに有り、顧客の多くは病院の関係者で占められ両隣の洋菓子店と花屋とも関係は良好で何も問題は無いと思っていたが…ある日、姉の風歌が倒れ、妊娠している事が発覚し!? 相手に心当たりの無い雨音が聞いても、風歌は頑なに相手を言うことは無く…愛する姉の為、少しでも資金を得ようと昼の弁当屋での仕事の他に夜にバーでウェイターのバイトを始めるが、そこで何と男の客から売春を持ちかけられて居る所を、「たんぽぽ」の顧客の一人で病院の医師でもある五十嵐直に助けられたが、その後思いがけずその五十嵐から愛人契約を持ちかけられて――。

 麻生海さんのイラストに釣られて購入(苦笑)。
 両親亡き後、必死に姉と弁当屋を守ろうとする雨音の健気さにはホロリとくるものがありましたが、五十嵐は表情が読めないと言う設定通り、最後の方まで何を考えているのかわからないキャラでした。
 話の展開としてはそこそこ面白かったと思うのですが、個人的にお姉さんの風歌さんの折々の選択が、雨音に対して思いやりが見えてこなくてその辺りの部分になるとフッと話から冷めてしまう感じでイマイチ話に乗りきれなかった感が残ってしまいました。個人的な嗜好の部分と言うか、主人公以外の人なのでサラリと流せればよかったのかもしれないんですが…。

評価【★★★☆☆☆☆】
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