梅花の茶園
HP(梅花の園にてティータイム)の更新日記や、BL・JUNE作品・ライトノベルズ等の感想や日々の徒然を思いつくまま書いております。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:--| スポンサー広告| トラックバック(-) コメント(-)
2006年9月まとめ
 今月は、自分に課した目標の「毎日更新」が最後の最後で守りきれずに悔し涙に暮れましたが(そんなアホな目標作ってたのです)…結局23日にダメだと解った時点で25日にも気が抜けてしまった感じです…。
 来月も毎日更新が出来るかはその時次第ですが、思いの外毎日更新は難しいことが解りました。
 あと、何故か月末頃から読書量がグッと下がってきました…先月、今月とBL本ばかり鬼のように読み込んでいたので疲れが出たのかも(苦笑)。
 でも初めてTBを頂いたり、コメントもちょくちょく頂いたのが活力になって楽しく更新させて貰えました~。自己満足で感想を書いていますがやはり反応が貰えると、俄然やる気が出てくるのって、我ながら現金ですね(笑)。

 今月の衝撃は何と言っても水城せとなさんの『窮鼠はチーズの夢を見る』でしょう!


BL小説
6★絶対オススメ! 
『許可証をください!』 烏城あきら
『運命の鍵開けます』 いおかいつき

5★:かなりいい!
『くちびるに銀の弾丸』 秀香穂里
『陵辱と純情にゆれる獣』 秀香穂里
『アット・ハート』 松永也槻
『予想外の男』 愁堂れな
『天国が落ちてくる(3)』 高遠琉加
『ボディーガードは口説かれる』 高月まつり
『恋に落ちる記憶』 義月粧子

4★:楽しめて読めました。
『ギャルソンの躾け方』 榎田尤利
『サウダージ』 華藤えれな
『天国が落ちてくる(1)』 高遠琉加
『天国が落ちてくる(2)』 高遠琉加
『熱砂の夜にくちづけを』 高尾理一
『ホストクラブより愛を込めて』 樹生かなめ

3★:可もなく不可もなく。
『愛されてお仕置き』 伊郷ルウ
『炎砂と暁の王子』 上原ありあ
『青菫館のはなびら』 周防芳音

2★:うーん、いまいち。
『ごめんなさいと言ってみろ』 榎田尤利



BL漫画
7★:宝物です。
『窮鼠はチーズの夢を見る』 水城せとな
 
5★:かなりいい!
『かみなりソーダ』 依田沙江美

4★:楽しめて読めました。
『ご主人様と俺?』 剣解
『浪漫豪奢』 北沢きょう
『十文字蓮二の苦難』 ふさ十次


雑誌
b-Boy Phoenix 2 【不細工特集】


ライトノベルズ
『モンスターズ・イン・パラダイス(1)』 縞田理理
スポンサーサイト
『運命の鍵開けます』 いおかいつき
運命の鍵開けますいおかいつき / あじみね朔生
雄飛 アイノベルズ
850円 (ISBN4-902543-56-7)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 性癖を隠しながらも、ゲイバーに出入りしていた警視庁のキャリアの九条義臣は、ある男にその現場を見られ、関係を強要されてします。
 「一回男としてみたかったんだ」
 そう嘯く彼は――高校の同級生で、憧れていた男――日向新。そして、九条が担当する殺人事件の第一発見者であり、容疑者でもあった。
 敵か味方かもわからぬまま、しかし昔と変わらない新の魅力に抗い切れない義臣だったが……。

【感想】
オススメ!
 官僚一家に生まれ、流されるままに警察官僚になった九条義臣だが、いざ警察に入ってみて初めて後悔したのは現場に出た時だった…。頭脳派の九条にとって“現場”は想像以上にきつく、しかもキャリアで28歳で課長の九条と、遙かに年上でありながらノンキャリアの部下達との壁もあり…職場では舐められない様に虚勢を張り表情を消し内面を知られないようにしながら、早く本庁に戻れる日を待ち望んでいる日々。そんな九条が唯一、素を出せるのはゲイである自らと同じ性癖を持つ人達の集まるゲイバーだけ。そんな九条が事件で再会したのは高校三年生の時の同級生の日向新だった…。彼は鍵師として殺人現場の第一発見者となっていて――。

 同人誌の時から好きな作品です。
 鍵師×警察エリートというのも何というかツボでございました。格好いいですよね、鍵師って…困った時にサッと鍵を開けて貰えると多分普通より三割は増しで格好いいですよ(笑)。
 今回はそんな鍵師として日々、街中の困ったに対応している日向と、刑事課課長ではあれども、部下達から何処かお客様対応しかされていない九条とのお話でしたが、九条のストイックな雰囲気と日向の少し砕けた感じは…あぁ、アレですよ、某刑事ドラマに立ち位置が似てる感じでいいです(あのドラマ大好きなんですよね~)、ストーリーも事件の謎と共に進んでいくので読み応えもありました。

評価【★★★★★★☆】
『許可証をください!』 烏城あきら
許可証をください!烏城あきら / 文月あつよ
二見書房 シャレード文庫
571円 (ISBN4-576-03200-3)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
これから喜美津で働いていく俺とお前が、なんで寝ちゃいけないんだ。
 中小化学薬品製造業・喜美津化学の品証部に勤務する阿久津弘は初の四大理系卒のホープとして期待されている身。そんな弘が社命でフォークリフトの免許を取ることに。慣れない乗り物の操作に難儀する中、指導係として遣わされてきたのは製造部の若頭・前原健一郎。弘と同い年であるにもかかわらず同僚からの信頼も厚く、独特の迫力と風格を持ったこの男に、弘はとある出来事がきっかけで苦手意識を持っていたのだが、意外にも前原の方は――。
 それなりに平和な工場ライフを送っていた弘を襲う前代未聞の“男×男”関係、ガテン系濃密ラブ!

【感想】
オススメ!
 あらすじがしっかりと紹介されているので今回は自作あらすじは無しで。

 この作品、雑誌掲載時に表題作を読んでいたんですが、あまり印象に残らず、イラストが好みじゃなかったので今まで食わず嫌いをしていたんですが、先日読んだ烏城さんの作品が思っていた以上に面白かったので購入。
 えぇと、まず読み始めて直ぐに思ったのは「面白いじゃないか!何で今まで読んでいなかったんだよ!!」でした(苦笑)。
 表題作も勿論面白いのですが、寧ろそちらはプロローグという感じで、続編の『クレーム受けます!』で二人の距離がさらにグンと近くなっていく様子や、彼らの仕事に対する熱い思いなどが感じられてグイグイと作品に引き込まれていく感じでした。
 今回は前原の想いに弘が流されてしまった感がありますが、そこら辺は続きでどうなるのか今から楽しみです。

評価【★★★★★★☆】
『かみなりソーダ』 依田沙江美
かみなりソーダ依田沙江美 (Yorita_Saemi)
新書館 Dear+コミックス
580円 (ISBN4-403-66149-1)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 「星の君」なんて呼ばれて優等生のようだけれど、それはちょっと仮面だったりして。全寮制の男子校。星弥は最近、同級生の龍泉が気になって仕方がない。急速に親しくなりある夜、ついに告白してキス。でもそこはお墓の前で、龍泉は極度お怖がり。抱きついてきても意味はない。それどころか、その後の反応は……!? ラブ・イン・ドミトリー!!

【感想】
 青華学園は僻地にあれども、全国ではちょっと名の知れた中高一貫の進学校。しかし学生達はほぼ全員が入学して初めてその学校が“仏教校”である事を知る。そんな男子校は僻地にあるため、全寮制。
 そういった学生生活を無難に、優等生の仮面をかぶりつつ生活する桂木星弥は、学内では“星の君”と呼ばれ一目置かれているが、そんな彼が最近気になるのは高校から編入してきた伊藤龍泉。
 硬派な雰囲気の彼の事が気になる星弥は何かとちょっかいをかけるがそのうち、彼の思いがけない一面を知ることになり――。

 仏教校の驚きは私にも覚えがあります。私もかつて入学した学校が仏教校でした。入学式には会場には左右に坊さんが鎮座されており、壇上の奥のカーテンが開き仏像様がお出ましになられました。あの時の驚きと言うか違和感は衝撃でした(だって、ナチュラルに出てきたんで)…なので生徒達の驚きは共感できました(苦笑)。
 男子校と聞くと何やら秘密の花園と言った雰囲気があると思いますが、全員ホモとかになってくると「そんな学校あるかーい!」と思ってしまいます。でも今作はそういった面もなく、同世代の少年達の共同生活がほのぼのと描かれていて読んでいて楽しく。
 また龍泉の寺の息子でありながら、極度の怖がりという設定が可愛く、星弥と共に最初の印象が、読み進めていくウチにどんどん変わっていくのが面白かったです。

評価【★★★★★☆☆】
『十文字蓮二の苦難』 ふさ十次
十文字蓮二の苦難ふさ十次 (Fusa_Juji)
太陽図書 ミリオンコミックス
630円 (ISBN4-8130-5041-7)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 警視庁に特別調査チームが編成された。班長に任命された十文字蓮二の元に最愛の甥っ子・十文字大輔が配属される。
 早く昇進して蓮二の手助けをすることを夢見る大輔。
 伯父バカな蓮二は十年振りに再会した大輔に戸惑いながらも、成長を見守ろう!とカラ回り。大輔を狙う高校の先輩・上岡もチームに配属され大混乱!?
 パッションあふれる男たちのデッドヒート・ラブ!!

【感想】
 警察庁の特別捜査班本部で各所轄の不正・不祥事を調査、摘発する特別調査チームで班長を勤め辣腕を振るう十文字蓮二。だが、このチームには若くして無くなった弟夫婦の忘れ形見である、甥の大輔が部下として配属されていて、しかも大輔の側には、彼の先輩だというキャリアの上岡も居て、どうも蓮二には上岡が危険に思えて仕方ない…。
 24歳になっても可愛い甥。その大輔の事が心配で心配で仕方がない伯父バカの蓮二と、大輔を昔から狙っていた上岡との三角関係の行方は――!?

 帯にも書いてあったので、書いちゃいますが伯父受です。
 それぞれのキャラがふさ十次さん独特のカラーを持っていて、面白かったです。
 でも話より何より私的には、可愛い顔した大輔君がバリタチな所など、見かけによらないギャップが何よりも面白く。
 また蓮二の友人の権藤さんがオヤジ臭さ満開で所々でいい味を出していてくれたりして、このオジさんも好きでございました。
 また大輔にアタックしては、サラリと交わされていた何処か二枚目に成りきれなかった上岡さんが最後に辿った結果には爆笑しながら、イイ!と思わせて貰いました。彼の話も読んでみたかったです。

評価【★★★★☆☆☆】
トラックバックの変更
 今までBlogPeopleのトラックバックで「ライトノベルズ」を付けていましたが、最近あまり読んでいないので、取りあえず取り外しました。

 代わりに「10年以上前のBL」という素敵トラックバックを発見しましたので、そちらを新たに設置。以前の作品も折りを見て追加していけたらなぁ…と思っています。
『浪漫豪奢』 北沢きょう
浪漫豪奢北沢きょう (Kitazawa_Kyo)
幻冬舎 BIRZコミックス リンクスコレクション
590円 (ISBN4-344-80828-2)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 時は大正八年。病気の妻と二人の幼子を抱え、生活に困窮する鳴人は、貿易商の都筑の屋敷へ出稼ぎに出る。しかし、雇い主の都筑は冷めた目をした傲慢な男で、鳴人は男の身でありながら犯されてしまい――。切なくて温かい、大正ラブロマンス!

【感想】
『浪漫豪奢』
 三十歳になる農夫の柳川鳴人は冷夏で不作のために、妻子を残し東京に出稼ぎに出たが、街には同じ様な多くの農民の出稼ぎが溢れており、なかなか仕事が見つからず、六件目の訪問先でも断られる。しかし、妻子の為と訴える鳴人に、貿易商の都筑は会社の人手は足りていると屋敷での使用人として雇うと言って貰える事になるが、屋敷に付いて直ぐに都筑に押し倒され、ショックを受ける。けれど、何故か都筑を憎めなくて――。

 北沢さん独特の画風が、大正浪漫と言う言葉と絶妙にマッチしていて甘すぎず、苦すぎずとても雰囲気のある作品になっていたと思います。
 鳴人の三十代に見えない童顔さと、農夫としてスレてない人柄が家族の事で傷ついていた都筑の気持ちを少しずつ癒して行く過程は読み応えがあり、また続編では鳴人の二人の子供と都筑の絡みがとても微笑ましくて良かったです。

『ひと夏の』
 金坂令は中2の夏休みに田舎の祖父宅である寺に遊びに来て、池の側で座り込む少年に声をかける。すると彼は何故か驚き、自分は「動けない」のだと言い…!?
 “幽霊”の山本さとりと令のひと夏の思い出――。

 設定に驚きました。
 まさか少年×幽霊少年だとは…。
 しかし、3年後の設定の続編もありなかなかホンワリとしたお話で読後感はよく、こういうお話もたまにはいいなぁ…と思いました。

『愛敬滑車』
 『浪漫豪奢』に登場した、都筑の親友の鏑木茜のお話。

 学生時代の都筑の尖った様子などが見れて楽しかったです。また茜の心に秘めた想いや、それを見守る男性など、味わい深い作品でした。

 全体的に雰囲気のある作品が多かったと思います。
 楽しめて読める作品ばかりでしたが、何処かあと一押しが欲しかったなぁと思わせる所が、構図やストーリー展開等であり…でも北沢さんは今作が初単行本とのことで、これからが期待したい作家さんだと思いました。

評価【★★★★☆☆☆】
『恋に落ちる記憶』 義月粧子
恋に落ちる記憶義月粧子 / 須賀邦彦
幻冬舎 リンクスロマンス
855円 (ISBN4-344-80820-7)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 外見が男らしくて、年下に頼りにされることが多い成末だったが、本当は包容力のある大人に可愛がられたい乙女チックな心を持っていた。ある日、友人に誘われて行ったゲイたちが集まるパーティで、密かに憧れていた、広告クリエイターの坂根に会ってしまう。男らしい見た目から、自分は相手にもされないだろうと諦めていたのだが、彼の自宅へとお持ち帰りされ、一夜を共にしてしまう……。

【感想】
 ゲイの成末久人は見た目のクールで格好よく体育会系の外見とは反対に、実は中身は年上の包容力のある彼氏に甘えたい夢見る乙女タイプ…しかし、見た目のせいか、元来の受け身タイプのせいかなかなか彼氏が出来ない。そんな時に友人の亮太に誘われて行ったゲイパーティーで見かけたのは、勤務先でたまに会う広告クリエイターの坂根で…彼はまさしく成末の理想そのもので…そんな坂根に思いがけず誘われた成末は一気に舞い上がるが――。

 須賀さんのイラストが大変麗しくて目の保養になりましたが、私的にはこの作品はもしかするとイラスト無しの方が美味しかったかも…と思ってしまった一作でした。
 何というか、成末の外見は「兄貴」なのに中身が「乙女」と言うのが何ともツボでして、そのキャラの割にイラストの成末は私の想像からするとちょっと格好良すぎた感じでした。ので、これはイラストを見ずにまんま「兄貴」な受として見た方が面白かった感じです。
 今回は成末視点ですが、彼がとにかく「夢見る乙女」で一人で悶々と妄想に耽る様は読んでいて面白かったです。また料理の腕が一流と言う設定通り、彼の作る料理がどれも美味しそうで…読後は美味しい物が食べたくてなりませんでした。特に角煮とキャラメルケーキが食べたい!と思わずキャラメルケーキのレシピを検索してしまったのは私だけですかね。
 ほのぼのとしたゲイの恋のお話と言う感じで大変楽しめました。

評価【★★★★★☆☆】
『ボディーガードは口説かれる』 高月まつり
ボディーガードは口説かれる高月まつり / 蔵王大志
角川書店 ルビー文庫
514円 (ISBN4-04-451201-9)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 顔も技術も超一流の男達揃いの、超有名ボディーガード会社<ガーディアン・ローブ>に所属する智弘はある日、憧れの世界的俳優・レオンの護衛に指名され有頂天に。だけど出会い頭から智弘を「最高だ」と口説き、「早くスーツの下が見たい」と抱きしめてくるレオンに幻滅してしまう。一方的なアタックを拒否し続ける智弘だったけど、「俺の愛を、お前の身体に教えてやる」とレオンに押し倒されてしまって…。世界一強い筈のボディーガードの運命は!? 爆笑★攻×攻ラブバトル!

【感想】
 村瀬智弘は、どんなに心の中では激しく喜怒哀楽を表していても、それが全く表情に表れず、常に無表情に淡々と仕事をこなしている。
 そんな智弘だが今回の仕事は何時もとは違う。なぜなら今回の顧客は智弘が大ファンのハリウッドスターのレナード・パーシヴァント、通称レオンだからだ!
 レオンの日本へのお忍び旅行の一ヶ月間、先輩の高中狭霧と共につきっきりの警護をすること、それが今回の智弘の仕事
 憧れのスターの近くに居れる幸せを満喫していた智弘だが、実際にレオンに会った瞬間から智弘を口説き始めたレオン…その姿は智弘の思い描いていたレオン像とは全く違っていて――!?

 高月さんらしさ全開のハイテンポ・コメディで非常に楽しませて頂けました。
 出てくる人物が皆“濃い”ので、中和されて(?)途中から普通に見えてくるのが面白く。ハリウッドスターやそのマネージャーが日本語ペラペラな所などはそう言った“濃い”人たちを前にしたら突っ込むべき次元ですらなくなっておりました。
 一つ気になったと言えば、レオンが智弘を好きになった辺りが少し説明不足な感じもしましたが、それも話の面白さの前では気にならず!
 とにかく、各キャラが生き生きと弾けてくれていて面白かったです。
 私は特にボディーガードの智弘と狭霧の二人の心の中でのツッコミが面白くて好きです。

評価【★★★★★☆☆】
『ご主人様と俺?』 剣解
ご主人様と俺?剣解(Tsurugi_Kai)
リブレ出版 ビーボーイコミックス
562円 (ISBN4-86263-037-5)
 

【あらすじ】
 天涯孤独だとばかり思っていた信弘に、突然富豪の伯父出現!
 お屋敷の坊ちゃんの世話係をすれば生活費の面倒をみてくれるという♪ だがこの坊ちゃん、天然誘い(受)で、毒舌で、なのに病弱で、一筋縄ではいかねえぞ!?
 胸キュン下克上H炸裂♪ sweet加筆あり!

↑…本の紹介として、この粗筋はどうなんでしょうか…?
 ビーボーイは随分前からハートマーク等を乱用されてて、ハッキリ言って、購買意欲が湧くと言うより寧ろ萎える感じな時が多々あると思っていましたが…今回はツッコミ所が有りすぎて何処から突っ込もうか…と途方に暮れます。取りあえず日本語表記できる文章でお願いします。
(因みに「♪」はハートマークの代用、(受)は受が○で囲まれてるのの代用です…)

【感想】
『ご主人様と俺?』
 大学生の崎ノ森信弘は、男手一つで育ててくれた父が過労で無くなり、初めて父が借金の保証人になっていて多額の負債があることを知り呆然とする。父の死のショックと共に思いがけない借金に途方に暮れていた信弘の前に現れたのは、今まで知らなかった父親の兄、つまり信弘の伯父で、借金の肩代わりの代わりに伯父が出してきた条件は、伯父の息子・従兄弟の家庭教師 兼 使用人として働く事。一も二もなく条件を飲んだ信弘が乗り込んだ伯父の家は、想像を絶する豪邸で、そこに居た従兄弟の優は信弘に懐き、過剰なほどのスキンシップで接してきて――。

 剣解さんの絵が好きなので購入。
 「黒の騎士」が洋風時代物の主従物なら、こちらは現代版、主従物ですか。その割には主従関係は強くありませんでしたが、話のテンポがよくて面白く楽しんで読めました。
 …面白かったんですが、何だか全体的に細部が描き切れてない感じが残ってしまったのが残念でした。
 お父さんが亡くなるまで富豪の伯父さんの存在を知らなかった事とか、優の母親の事とか何だか色々な設定があるっぽいんですが、そういった所が説明不足な感じでイマイチ解らず…。
 二人の関係も主従なんだか従兄弟同士なんだか、立ち位置が曖昧な感じで、読んでいる間は楽しんで読めるんですが、読後感と言う点ではそれらが気になってしまいました。

『たとえば真実なんてものが』
 村上和基は視力が落ちても、頑なに眼鏡をかける事に抵抗を感じている。“真実”は決して目に見えるモノではないから…幸せな家庭だと見えていたのにある日、父が家を出ていった様に…そんな和基を見守る幼なじみの尋伸とのお話。

 ショートストーリーとして、雰囲気のある作品でした。
 二人の関係などはよく解りませんでしが、そこはショートストーリーなので…テーマがしっかりと描かれていたので気になりませんでした。

評価【★★★★☆☆☆】
JUNEとBL
 すっかり世間様に周知されている感じの「BL(ボーイズラブ)」と言う単語ですが、ワタクシ当初はこの単語に強いアレルギー反応を示しておりました。
 と言うのも、元々耽美小説(この言い方もちょっとなぁ…)と言えば「JUNE(ジュネ)」と覚えた私にとって、BLというのはどちらかというと“軽い”“内容が薄い”“キャピキャピ(死語)してる”という印象だったのですよ…。

 しかし、最近ふと気が付くとその拒否反応を忘れたかのように連呼してる自分が居ました。
 知らないウチに順応した感じです(苦笑)。

  ただ、ではJUNE=BLになったのか?と問えば、否。
 以前はJUNEとBLの割合があったのが最近発売される作品は殆ど全てBLだと思うようになった感じです。
 私にとってJUNEとはあくまで“耽美”である物でして。
 例えば往事の名作「ヴィヴィアン」とか「間の楔」「テイク・ラブ」等々の作品はBLとは言えないです。

 一方、最近出ている作品がJUNEか?と言われると、耽美ではナイのです。ので、私にとって、男性同士の恋愛小説はBLで中でも曖昧な基準ですが“耽美”と感じた作品がJUNEとなる感じでしょうか…。

  
 で、長々と書いて何が言いたいのかと言うと、このBLですよ。
 男性同士の恋=BLというのが少し違和感がありまして…。
 と言うのも私の求める作品はどちらかというと登場人物の年齢設定が高め。10代にはあまり食指が湧かず。30代とか40代が好物(最高年齢は80代でございましたか…)。
 なのでボーイズと言うのがどうも…Mens Loveの方がピッタリ来るんですよね…でもMLってちょっとなぁ…。などなど、下らないことをつらつらと考えてしまいました。
『モンスターズ・イン・パラダイス(1)』 縞田理理
モンスターズ・イン・パラダイス(1)縞田理理 / 山田睦月
新書館 Wings文庫
640円 (ISBN4-403-54109-7)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 人間とモンスター――《神話的人類》の共存する大都会、アイオニア連邦ブルームフィールド市。
 田舎から出てきたばかりの新米捜査官ジョエルは、着任早々《神話的人類》専門の部署に配属される。
 実は《神話的人類》恐怖症のジョエル。だが、コンビを組むことになったカートは、意地悪でひねくれ者で、しかも吸血鬼だった――…!!
 登場人外率120%でおおくりする縞田理理のミラクル・モンスターワールド開幕!!

【感想】
 1920年代のアメリカの様な文明と街並みのブルームフィールド市。そこは長く続いた旧大陸の戦禍を逃れた人々が流入し続けている…そして人々の中には人間の他に、かつては妖精や魔と言われ、今では《神話的人類》と呼ばれる人々も居て。
 人口が増えてればそれだけ、犯罪も増える。しかし、警察で《神話的人類》の担当はたった二人だけで――。

 縞田理理さんの前作「霧の日にはラノンが視える」が結構好きだったので購入。
 今作も妖精達と人間が織り混ざった不思議な世界が楽しめました。お話としては毎回事件をカートとジョエルのコンビが解決…という感じですが、その他に何か大きな“謎”が待っていそうです。一巻では登場人物紹介や世界観の説明の方がメインでその“謎”については、まだまだ何も見えてこなかったのが少し物足りなかったです。

評価【★★★★☆☆☆】
『ホストクラブより愛を込めて』 樹生かなめ
ホストクラブより愛を込めて樹生かなめ / 沢路きえ
角川書店 ルビー文庫
476円 (ISBN4-04-450203-X)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 愛していた男・相沢省吾に裏切られ、全てを失った超美形の蓼科敏史。彼が辿り着いたのは、夢を売る場所・ホストクラブだった。元社長令息の敏史も、今や客を笑わせて指名を取る「ヨゴレ」担当ホストだ。しかしそこに、社長となった省吾が再び現れる。省吾を許せず、拒絶する敏史だが「愛している」と囁く憎い男に心は揺れて…!?
 許せないけど、愛してる。客のためならふんどし姿にだってなる美形ホストと、不器用な野心家社長の、プライドぶつかるホスト純愛物語!!

【感想】
 会社令息として何不自由なく育った蓼科敏史。彼の両親が所有する別荘と山林の管理人の息子・相沢省吾とは物心つく前から一緒に遊ぶ仲で成長した後は、お互い想い合っていた。
 しかし、敏史の両親が事故で亡くなってから、すべてが狂い始めて、気が付いた時には敏史は社長の座を追われ、それでも省吾が側に居ればそれでいい、そう思っていたのにその省吾が敏史の代わりに社長の座にいて、しかも取り引き先の娘と結婚したと知り…信じていただけに、省吾の裏切りが許せなかった敏史は、かつての深窓の令息の面影は無く、今では夜の街で「ヨゴレ」ホストとなっていて――。

 いつもにも増して、かっ飛ばし具合が凄まじかったですが、これが樹生さんらしいと言うのでしょうか…楽しかったです(笑)。
 テーマは男の意地とプライドでしょうか…。こういう人間の意地やプライドって大事な時もあり、邪魔な時もありですよね。テーマがハッキリとしていたので安定して楽しめました。
 文章に勢いもあり読みやすかったのですが、最後の辺りが少し終わりきってない感じが残ったのが残念。結果的に会社を乗っ取った形の省吾は今後どうするのか?敏史はホストを続けるのか?そういった辺りの所が解らないまま…他にも気になる所がチラホラあり、気分的には起承転結の転の途中で終わった感が残りました。

評価【★★★★☆☆☆】
b-Boy Phoenix 2 【不細工特集】
b-Boy Phoenix 2 【不細工特集】 普段は漫画のアンソロジーは極力買わない様にしているんですが(何しろ嵩張るし、そのうち単行本化するだろうしで)今回は特集があまりにも魅力的すぎて買ってしまいました(苦笑)そして何よりも木原さんの小説もありますしね!

リブレ出版 b-Boy Phoenix
848円 (ISBN4-86263-033-2)
Amazonを見る bk1を見る
『b-Boy Phoenix 2【不細工特集】』
 ――誰がなんと言おうとお前は綺麗だ。
『初恋のひと』 日高ショーコ
『まつごのゆめ』 志水ゆき
『されど美しき日々』 草間さかえ
『年上の恋人』 木原音瀬(ヤマシタトモコ)
『めぐり逢い…COSMO』 国枝彩香
『フラクタル』 テクノサマタ
『やめてよして囁かないで』 横井里奈
『アイツの大本命』 田中鈴木

↓以下は私の読んだ作品の個人的なあらすじと感想です(ネタバレ注意!)

『初恋のひと』
 恋は盲目、あばたもえくぼ。カッコよかったあいつは今どこに…!?
 田舎の中学で野球部に所属していた藤原直は先輩や同級生によく虐められていた…そんな直をいつも助けてくれたのが唐橋ハジメ…。直はそんな唐橋の照れ屋で恥ずかしがり屋で、でも優しくゴツい顔も細い目もニキビだらけの顔も大好きだった――だけど10年以上経って再会した唐橋は美容師らしくお洒落で口達者で、昔の彼とは余りにもかけ離れていて――!?
 傍目から見ると、現在の美容師の唐橋の方が断然格好いいのに…直から見ると、昔のニキビだらけの坊主頭の唐沢の方が素敵に見えて…そんな唐橋の事をずっと忘れられなかった直が、雑誌に載った同姓同名の美容師を訪ねていったら、それは実際に長年忘れられなかった唐橋本人で…だけど彼は直の理想からは外れてしまっていて…。
 この直の美的感覚のズレが面白かったです。
 好みからは外れてしまったにも関わらず、ふとした笑顔に昔の面影を見出してドキリとしたりする様子は読み応えがありました。

『まつごのゆめ』
 どうせ最後に見るならば、幸せな夢がいい…。
 戦国時代、藤一郎が側仕えとして使える主人の葉旬は、幼い頃から「夢見」として夢で未来を見通す力を持っており、ゆえに軍神として崇められていた…。しかしその力ゆえに強国へと人質として差し出されることになり…。
 特殊な力を持ちながらも心優しい葉旬が、側仕えの藤一郎に秘かな想いを抱いていて…それなのに、人質として行く先には藤一郎を伴わないと言って――。
 志水ゆきさんの画力ですね。葉旬がとても平凡な外見に見えるのです。最後は切なくて泣きそうでしたが、こういう終わり方も味があって好きです。
 ただ…時代劇も勿論好きなんですが、今回私としては表紙絵の二人のお話が読んでみたかった!あの1枚だけで色々なシチュエーションを想像してしまったのですよ!後ろ手に持った小箱は!? 細目に眼鏡の彼との関係は!? 色々想像できていいんですよー!

『されど美しき日々』
 子供時代は思い出したくない、恥ずかしい恥ずかしい記憶、みじめだった自分。
 ある日突然いじめられるようになった山口正世。理由は変な顔だから…。そんな山口に対して一人だけ優しく接してくれたのはクラスの委員長だった。彼の差し伸べた手を何時しか離せなくなった山口だが、中学校に上がる春休みに委員長は突然引っ越して行き…中学校でも虐めにあった山口は県外の高校を受験し、虐められることはなくなった、そんな時に委員長と再会して――。
オススメ!
 つり目で出っ歯の山口君が可愛いです。そして読み進めるうちに彼が突然虐められる事になった理由が解り衝撃。そういう裏があったのかーーー!!という感じでしたが、それを解りつつ受け入れていた山口の想いにじんわりと来るものがありました。草間さんはこういう少年期の細やかな心理面を描かせると上手いなぁ…と再確認する一作でした。

『年上の恋人』
 優しい気持ちを教えてくれた。泣きたいくらい、切ない想いも。
 刑事の浜渦論の恋人は六歳年上で同性の百田保男。百田は以前は薬物依存で前科三犯の過去を持ち、自殺未遂をした時に警察官になったばかりで巡回中の浜渦が引き留めたのが付き合い出した切っ掛けだ…。百田は自分を引き留めた浜渦に自殺しない代わりにその体を要求してきて…最初は義務感から付き合いだした関係が、だんだんと『好き』になってゆき――。
オススメ!
 『小説b-Boy』の2006年4月号と7月号に掲載された『薔薇色の人生』の浜渦視点の作品。
 『薔薇色の人生』が百田視点だったので、浜渦の気持ちが見えて新鮮でした。彼が最初は義務や義理で付き合いだした百田に対して、だんだんと気持ちが変化していく過程が淡々と、でも細やかに描かれていて、読んでいてとても気持ちが暖かくなりました。
 最終的には浜渦も百田にぞっこんな所とか、今回新たに出てきた浜渦の先輩の甚呉など味のある登場人物なども生き生きとしてページ数はそんなになくても読み応えはタップリありました。
 やっぱり木原さんは、上手いなぁ…とつくづく感じる一作でした。
『熱砂の夜にくちづけを』 高尾理一
熱砂の夜にくちづけを高尾理一 / 富士山ひょうた
MOVIC GENKIノベルズ
857円 (ISBN4-89601-662-9)
Amazonを見る bk1を見る

【あらすじ】
 アラブの殿下と知らずにライルと喧嘩した和泉。競走馬を売りに来たはずなのになぜか自分ごと買われて遠い異国へ連れられてしまう。しかも豪華な浴室で初H♪
 高貴でセクシーなライルにかき口説かれて、反発しつつも強烈な愉悦に毎夜乱れる和泉。いつしか独占欲の強い緑の瞳にみつめられ、欲望に心と体が蕩け始める。
 「まずはベッドの作法からだ」と求められるまま、腰を揺らして果ててしまう。そんな殿下との甘い媚薬のような生活は淫靡だけど、どこか切なくもあり…。

【感想】
 5年前アメリカ旅行に行った時に、親の友人のオブライエンの牧場で馬に魅せられた長谷和泉は2年前、高校を卒業すると家族の反対を押し切って渡米し、以来オブライエンの牧場で働きながら馬の勉強をしている。
 初めて自分が出産に立ち会った馬・ファルコンが競走馬のセリ市にかけられる日。ファルコンが素晴らしい馬だと信じて疑っていなかった和泉の期待に反して、ファルコンは売れ残ってしまい…。イライラしていた和泉に突然ぶつかってきたのは、一見すると欧米人の青年だったが、デンマーク人の母により見た目は金髪にグリーンアイという出で立ちながら、実はアラビア半島の一首長国・シャイザリーの六番目の王子で世界的にも有名な競馬法人ザリスター・レーシング社のオーナーだった。
 そんな人物につっけんどんな物言いをしてしまったと慌てた和泉に、王子・ライルは興味を惹かれ、和泉を百万ドルで買い取ると言い出すが――!?

 久々に面白いと思えるアラビア物を読ませて貰った気分です。
 いつも「何でアラブ人なのに見かけ欧米人なの?別にそんな見かけじゃなくて良いじゃない。(いやその方が受けるのは解りますが…やはり違和感の方が強いよ…)」とか思ってしまうのですが、今作ははその点も作中の兄弟間の確執というスパイスとして上手く使われていて、更にサラブレッドのお話なども絡めてあって面白かったです。
 和泉がファルコンに対してある意味、親馬鹿とも言える思い入れが強くて…というエピソードが各所に出てきますが、それが何とも微笑ましくて、そのファルコンの為に一生懸命になってる様子や、そんな和泉をついつい甘やかしてしまうライルの様子も面白かったです。
 少し後半、事件などが駆け足だったなぁ…とか、他の馬についてとか、レースについてとかも見たかったなぁと思ってしまいましたが、ページ数的には仕方ないのか…。
 この作品、続きが出たら読んでみたいです。

評価【★★★★☆☆☆】
bk1始めました。
 今までAmazonのアソシエイトプログラムで本の表紙画像を利用させて貰っていたのですが…どうもここの所、Amazonさんの画像のアップが不安定だなぁ…と感じていて、古い本なら仕方ないんですが、新刊もどうもバラツキが激しく感じ、それがストレスになっていました。。。

 で、bk1にも同じ様なサービス(?)があることを知り…本当は、あんまり物を増やすとそれだけ管理が大変なんだよなぁ…と二の足を踏みつつ、やっぱり画像がないと楽しくないので思い切ってbk1も併用することにしました。

 と言うことで今後は   のアイコンに各サイトへのURLを貼り付けてあります。
 ってメインはその横の画像なんですが(笑)。

 因みにASSAMURUHUNAにも同じくアイコンを付けました。この作業が思ったよりも面倒だったε-(;ーωーA )
『窮鼠はチーズの夢を見る』 水城せとな
窮鼠はチーズの夢を見る水城せとな(Mizushiro_Setona)
小学館 Judyコミックス
505円 (ISBN4-7780-1001-9)
 

【あらすじ】
 優柔不断な性格が災いして不倫という「過ち」を繰り返してきた恭一。ある日彼の前に妻から依頼された浮気調査員として現れたのは、卒業以来会うことのなかった大学の後輩・今ヶ瀬だった。ところが、不倫の事実を妻に伝えないことの代償として今ヶ瀬が突きつけてきた要求は、「貴方のカラダと引き換えに」という信じられないもので…。くるおしいほどに切ない男と男のアダルト・ラブストーリー。

【感想】
オススメ!
 大伴恭一は、良く言えば“優しい”悪く言えば“優柔不断”な男。昔から女性に誘われれば嫌とは言えず、つい関係を持ってしまう…妻も居るというのに!
 そんな大伴の前に、ある日現れたのは大学時代の2年下の後輩の今ヶ瀬渉。大学卒業後、7年ぶりに再会した今ヶ瀬は興信所の調査員となっていて…しかも今の仕事は、大伴の妻からの浮気調査の依頼で大伴だという。もし、大伴が浮気を妻に知られたくないなら…と今ヶ瀬が提示した交換条件は何と大伴の“カラダ”で――!?

 ゲイの後輩が、ノンケの先輩に長く報われない片想いをしていたお話でした。
 この作品、以前から書店で見かけていたのですが、作家の水城せとなさんは、以前はビーボーイなどで執筆されていたにしても、今はスッカリ少女漫画家一本て感じだし、レーベルもJudyだし…と期待できる要素が少なくて二の足を踏んでいました。でも、ネットでの評判がかなり良いし、今月雑誌の付録に続編が掲載されたそうなので、今回思い切って購入。
 …で、読み始めてすぐに思った事は「何でもっと早く買わなかったんだよ!面白いよ!!」でした(笑)。
 何というか、普段読んでいるBL作品よりもずっと“濃い”作品でございました。
 エッチなシーンは勿論なんですが、それ以上に内容というか、主人公達の心理描写がとてもよくて、性的嗜好は至ってノーマルな大伴だけど、生来の流されやすさで今ヶ瀬に迫られ、弱みを握られてるのもあって…と流されて――から始まっても、だんだんと流されているだけでは無くなっていて、でもその事に本人は無自覚。なのに、誰にでもついつい良い顔をしがちな大伴が今ヶ瀬に対しては何故か遠慮ない物言いをしていて…。
 今ヶ瀬はそんな大伴を思う存分、甘やかして少しずつ今ヶ瀬ナシではいられない様にして…
 そういった大人な関係が絶妙に描かれていたと思います。
 まぁ正直、作中何度も今ヶ瀬に対して「そんなロクデナシ(大伴)の何処がいいんだ!」とか「目を覚ませ!」とか言ってしまいたくなりましたが…大伴、流されすぎだよ。
 まぁそれでも今ヶ瀬にしてみたら惚れたらアバタ(優柔不断)もエクぼなんでしょうね(苦笑)。
 今月号のJudy(雑誌)の付録に、この作品の続きが乗っているらしいのでさっそく買いに行きますよ!

評価【★★★★★★★】
『青菫館のはなびら』 周防芳音
青菫館のはなびら周防芳音 / 佐々木久美子
雄飛 アイノベルズ
850円 (ISBN4-902543-55-9)

【あらすじ】
――睦言とは、密やかに語るものだ
 貧苦に悩む名門・芹沢伯爵家当主のはある日、観梅の宴で一人の男と出会う。男の纏う刃のような鋭さと凛々しさに心奪われ、別れた後も彼を忘れられずにいた薫。そこへ、芹沢家を救う一報が届く。赴いた先に待っていたのはあの男――彼は過去に芹沢家と因縁のある月岡男爵家当主・敏弥だった。有る条件の下、敏弥が『買った』もの、それは芹沢家所有の館・青菫館と、薫自身であった…!
【感想】
 大正八年初春、22歳の芹沢薫は父がシベリアの地で戦死し、父が遺した会社が倒産したことにより膨らんだ債務と、病に倒れた兄の療養費用の捻出の為に、伯爵と言う地位にありながら金策に頭を悩ませる日々。
 しかし、銀行からは現在の融資の返済が無ければ新たな融資はできないと断られ、今や薫に残されたのは可憐で優美と言われてきた代々の伯爵家の館であった青菫館のみとなる。
 愛する兄の為、館を売る事を決心した薫だが、手放すには芹沢家に代々伝わる当主の証の印章…本来なら父から受け取る筈のものだが、急死した父が館の何処かに隠したソレを見つける必要があり…その為手放した後も、薫が一定期間住み続けると言う条件を了承した買い手は何と芹沢伯爵家とは禍根のある月岡男爵家の当主で――。

 佐々木久美子さんのイラストに釣られて購入しました。全体的にセピアの色合いに少しの紅とタイトルの菫色が印象的な表紙です。
 話の設定は魅力的で、文章も雰囲気があってよかったです。
 ただ、幾つか少し説明不足な所があったように感じたのが残念でした。例えば、印章が必要なのは何故か…伯爵の当主の証明の為?そこの所が少し解りにくかったり…。あと芹沢伯爵家と月岡家の確執の本質がいまいち見えてこないなぁ…とかそう言った所が気になってしまい話の方に集中出来なかった感じになってしまったのが残念です。

評価【★★★☆☆☆☆】
小説リンクス 2006年10月号
小説リンクス06年8月号 今回は全体的に無難に纏まっている作品が多かった気がします。楽しんで読めるけど、前号での『愛と禁欲の千夜一夜』ほど気に入って何度も読み返した作品はなかったです。
 あと全然関係ありませんが、気になったのは各話の表紙に書かれてるあおり文句(緑で書いてる部分)が名前違いやら漢字違いになっていたのがいくつかあって気になりました…ってそんな所まで言うのは小姑ですかね(でも話が違ってきたりしますよ)


小説リンクス 2006年10月号
特集:『楽園』 愛が溢れ、愛で煌めく。

【NOVEL】
『闇の王と彼方の恋』 六青みつみ(ホームラン・拳)
『片想いにもならない』 はるか真朝(カワイチハル)
『上海夜啼鳥【後編】』 華藤えれな(真生るいす)
『純愛は嘘に濡れる』 あすま理彩(霜月かいり)
『愛を調教(おし)えて』 皐月かえ(亜樹良のりかず)
『もう一度、キスからはじめて』 絢谷りつこ(かんべあきら)
『ただ甘いだけじゃなく』 神楽日夏(陵クミコ)
【COMICS】
『花は初恋に綻びる【前編】』 小路龍流(原作/柊平ハルモ)
『空中庭園』 ホームラン・拳
『ぼくは魔法使い☆第19話』 ゆのはら棗子
『コルセーア Act.7』 御園えいり(原作/水壬楓子)
【華藤えれなミニ特集】
『スレイヴァーズ・ポイズン(「スレイヴァーズシリーズ」短編)』 華藤えれな(雪舟薫)
『コラゾン(「サウダージ」短編)』 華藤えれな(円陣闇丸)
『密葬(「シナプスの柩」短編)』 華藤えれな(佐々木久美子)

【「夜ごと蜜は滴りて」ドラマCD発売記念ミニ特集】
『夜ごと蜜は滴りて-珠玉の戯れ-』 和泉桂(円陣闇丸)

【「ためらう彼の唇」ミニ特集】
『ポジション』 高槻かのこ(あさとえいり)

↓以下は私が読んだ作品の、勝手なあらすじと感想です。ネタバレ注意!

『闇の王と彼方の恋』
 人間離れした不思議な魅力を持つアディーン、
 異世界の住人である彼に出会った悠は、逃れられない運命に導かれ――

 二十年前に突然都心に現れた『門(ゲート)』そしてそこから現れる『外来種』と言われる存在…外来種は大半が凶暴で醜悪な外見を持ち、人間を襲う。ために害獣とされているが、その撃退方法等は未だ確率せず、昼間は現れない外来種は夜になると現れる…。そんな世界で高校生の羽室悠はある日、人の外見をしていながら、外来種の特性を持つ青年・アディーンと出会う。彼の存在に何故か悠は懐かしさを感じて――。
 異世界&近未来物でございましたが、設定の割にはページ数が少なすぎた印象です。設定の説明をしてると人物描写が大急ぎになり、更にストーリー展開はもっと早足で…物語りに入り込む前に終わってしまいました。ファンタジーは好きなんですが、これはちょっと残念でした。
『片想いにもならない』
 高校生の頃、同級生の宇一に失恋した一穂。
 大人になってもその恋をひきずっていた一穂は、宇一に出会い……

 親のアメリカへの単身赴任に付いていかずに、祖父母の元で暮らし始めた大森一穂が、高校に入学して出会った江原宇一と彼の幼なじみの高岡優。彼らは友達を作るのが苦手な一穂にとって高校三年間に得た数少ない友人で…でもある日、放課後の教室で優が宇一に告白しているのを聞いた一穂は宇一が、優に「ゴメン」と断った事に何故か安堵していて…なのに、その事を深く考えず…しかし、高校の卒業式の後、彼らが親密に抱き合う姿を目にした一穂はそこで初めて宇一への恋心と失恋を自覚し…。
 そのまま二人の前から姿を消して十年が経ち、祖母の葬儀の為に戻ってきた一穂は、優と宇一と再会して――。

 ううん、再会愛なんですが、シチュが祖母のお葬式というのが何だか気になって…イマイチ話にのりきれませんでした。
『上海夜啼鳥(シャンハイ・ナイチンゲール)後編』
 李から相馬を裏切るよう命じられた小鈴は――!?
 革命で家族を失い、娼館で男娼として働いていた小鈴。相馬に買われて一夜を共にした後に身請けされる。しばらく相馬と穏やかに日々を暮らしていた小鈴だが、小寒の経営者で黒龍幇という中国マフィアの一員である李から、相馬が手がける設計図を盗み出せと命じられる。いつしか相馬に思いを寄せていた小鈴は、死を覚悟で相馬を裏切らないことを決意していたが…。(雑誌掲載あらすじより)
 ロシア革命で国も家族も失った侯爵家の嫡子だったリェーリャ、今は娼館で与えられた小鈴(シャオリン)と言う名前で生活している。そんな過去を失った小鈴と、何かの訳で家族の居る日本から逃れてきた相馬。そんな寂しい心をもった彼らが魔都・上海で出会って…。
 小鈴が相馬を好きになって、でも彼には日本に妻子が居て…と切ない想いが伝わってきました。
 戦前の上海と言う場所を舞台にロシア貴族の末裔と日本人建築と言う設定も面白く、雰囲気もよくて読み応えがありました。
 最後にはお互いの気持ちを確かめ合って…とホッとしましたが、その後どうなるのか…彼らは何処に行くのか…というのが解らず、その辺りが気になって読後感がよかったとまでは言えなかったのが残念。
 でもこのお話の続きが出たら間違いなく買います。
『純愛は嘘に濡れる』
 身代わりでいい――あなたの傍にいられるのなら……
 水上円(まどか)は双子の弟の和(なごみ)が羨ましい。自分と同じ容姿を持ちながら、明るく快活で物怖じしない性格をしていて、一方自分は暗くて引っ込み思案で…。そんな劣等感とも取れる羨望の気持ちを一番強く抱いたのは、和が理学療法士として勤める病院の外科医・渡辺達也と付き合っていたが別れたと聞かされた日だった…なぜなら、渡辺は円が好きだったから…。そんな和は渡辺と別れた直後から一ヶ月間、アメリカへ研修に行った直後、倒れた円を介抱したのは渡辺で…倒れたショックで一時的に記憶を失った円を渡辺は和と思い込み「君の名前は和…君は僕の恋人だよ」と言われて――!?
 告白して、振られたにも関わらず記憶を失った円を和だと思い「自分達は恋人同士」と嘘を告げる渡辺の思い。すぐに記憶を取り戻しておきながらも、秘かに想っていた渡辺に和だと想われていても傍にいたいと想ってしまう円の思い。
 すれ違う思いが切なかったです。
『愛を調教えて』
 会社社長の知哉は、かわいい恋人もいて順風満帆な生活をおくっていた。
 だが突然、部屋に美貌の青年が現れ、知哉は抵抗虚しく抱かれてしまい――!?

 中島知哉は大学時代に起業した弁当屋を8年経った今では、ケータリングからファミレス、一般店舗向けの食品輸入まで多岐に渡って手がける外食系企業に急成長させた実業家。仕事は順調、一年前に男性向デートクラブの客と男娼として出会って付き合いだした恋人の侑は浪費がちだが可愛いし、生活に文句はない。
 だがある日、知哉が帰宅するとそこに侑の姿はなく、代わりに居たのは、何処か色気のある見知らぬ男が居て…。直樹と名乗った男は、知哉が侑と出会ったデートクラブから侑に呼ばれて来たと言い、侑が不在と言っても「相手が誰でも関係ない」と侑の代わりに知哉を蛇行として――!? 

 なかなか面白かったです。若くしてトントン拍子に仕事で成功し可愛い恋人も居る攻め男が、ある日突然現れた年下の男に抱かれてしまうと言う展開は新鮮でした(笑)。
 しかも年下攻め…ツボです。
 話の設定というか、知哉の会社の設定の説明も面白かったのですが、少しページ数的にそちらに場所を取られすぎてたと言うか本筋に繋がらない部分の説明が多かった期がしたのは、直樹についての説明がイマイチ物足りなく感じてしまったからかも。
『もう一度、キスからはじめて』
 辛い恋から逃れるために転勤してきた大阪で、ちょっと軽めな年下の岳人にナンパされた望は…
 27歳の井上望は、自分以外にも常に相手の居た恋人・康成との恋愛に疲れ、終止符を打ちたくて転勤の打診に逃れるようにして大阪に来たが…康成からは復縁の連絡が絶えず来て。しかも大阪の人間は東京とは違いなかなか馴染めず…気持がどんどん憔悴していく望にある日声をかけてきたのは、軽薄そうな服に身を包んだ年下の男で…その男・高村岳人は初対面の望にあれこれと話かけてきて。最初はそれを鬱陶しいと思ってきた望みだったが――。
 望の揺れ動く気持ちが上手く描かれていたと思います。
 派手さのない作品だと思いますが、その分しっとりと描かれていて読後感はよかったです。
『ただ甘いだけじゃなく』
 心に住み続ける元恋人と、思いがけず再会し――
 森島希生は24歳と言う若さで洋菓子店のオーナーシェフとして横浜に店を出して1年だが、開業時のメンバーが次々と辞めていき一人では回していけなくなり、恩師の取り持ちで店の権利を売り、そのまま雇われパティシエとして再出発をする日。希生の前に現れたのは七年前、高校時代に二ヶ月だけ付き合った元恋人で今では天才パティシエとして活躍している鷲見一晟だった――。
 ケーキが色々と出てくるのはとても美味しそうで、希生と一晟との出会い、希生がパティシエを目指した理由なども丁寧に描かれていたと思うのですが…どうも希生が24歳でオーナーとか言う辺りが気になって話に入り切れませんでした。
 若すぎるとも思わないんですが、でも若いですよね。
 そこら辺は物語なんだし…と思いつつも、ただでさえ童顔と言う設定の希生なのでどうにも違和感が残ってしまいました。(タダ単に私が年上好みなだけかも)
『天国が落ちてくる(3)』 高遠琉加
天国が落ちてくる(3)高遠琉加 / 祭河ななを
二見書房 シャレード文庫
552円 (ISBN4-576-04216-5)

【あらすじ】
君の体の中には天国がある
甘く、優しく、僕の上に降ってくる

 やっと自分の心に気づきカオルの想いを受け入れた。しかし、いわくありげな女が現れたのをきっかけにカオルの声は再び失われる……。ツアー続行は絶望的な上、過去を暴露したゴシップ記事が出回るという最悪の事態に、マスコミはもとより湊の前からさえもカオルは姿を消してしまう。
 一時の逢瀬で、彼の子供時代のいたましい記憶の断片を知るものの、もはやカオルを愛していることに疑いを持たない湊は、唯一の手がかりと思える桐島千暁に会おうと英国へ向かう。ただカオルに気持ちを伝えるために――。触れ合い、奏でる珠玉の恋物語。特別番外編「ベッド」、後日談の書き下ろしも収録したシリーズ完結編!

【感想】
 カオルの母親と同年代の女性が訪れた後から、また声を失ったカオル。訪れた女性が誰なのか、どういった関係なのかも解らず悩む湊…そして声を失って湊の前からも姿を消したカオル。
 更にそんな時期にカオルの出生のスキャンダルがスクープされてしまい、マスコミが一気に騒がしくなって。
 自分を好きだと言いながら、姿を消したカオルに対して湊の心は不安定に揺れ動き。けれど、何とかお互いに関係を修復させようとしたけれども、カオルの「人を殺そうとしたことがある」と言う告白に、一瞬でも“怖い”と思ってしまった湊にカオルは――。

 1巻から3巻までの話の流れがとてもしっかりと組まれていて、更に心理描写も丁寧に描かれていて読み応えがありました。
 私は全巻を一気に読みましたが、この作品は一気読みがいいですね。作品に“勢い”みたいなのがあって、間を空けずに読むと、その流れに乗って一気に読める感じでした。
 カオルと湊の関係だけじゃなく、歌手としてのカオル、ピアニストとしての湊と言うアーティストな所も忘れずにきちんと作品に織り込まれていて、読後感はとても清々しい気持ちになれました。

 ただ、2巻で私が主人公よりも食い付いていた桐島と樋口の関係は…期待できそうに無いことが解りその点に関してはガッカリしてしまいました(本題からズレてます?)。

評価【★★★★★☆☆】
『天国が落ちてくる(2)』 高遠琉加
天国が落ちてくる(2)高遠琉加 / 祭河ななを
二見書房 シャレード文庫
552円 (ISBN4-576-04147-9)

【あらすじ】
だから、オレのこと好きになってよ
うさぎちゃんの恋人になりたいんだ

 カオルのために演奏するという条件で、行き場を失ったグランドピアノを預けることになった。カオルの部屋通いが始まるが、そんな折、湊は女性シンガー・深月かな子の取材で彼女の機嫌を損ね、さらに大切な預かり物をなくしてしまう。失点のフォローを厳命された湊の耳に、解散した人気ユニットの片割れで、謎の多いカオルの過去を知る桐島千暁の帰国情報が入ってくる。二人の関わりを取材できればクビを免れられるかもしれない――。一瞬でもそんな思いを口にしてしまったことを激しく後悔する湊にカオルは、湊のことが好きだから助けたいと告白してきて……。現役時代の桐島と樋口の始まりと終わりを描いた書き下ろし『蜜月』を収録したシリーズ第二弾。

【感想】
 前作に引き続き、カオルのアプローチに無自覚で「セクハラ」と切り捨ててる鈍感な湊についにカオルがストレートな告白をして一波乱。
 更に、三年前まで日本で人気ユニットを組んでいて、解散後はイギリスに渡英して、現地で活躍していた天才ギタリストの桐島千暁がカオルの古い知人として現れて、湊に「カオルを傷つけるような事をしたら容赦しない」と釘をさして来て二波乱。
 そしてその時に、桐島が昔よくカオルにピアノを弾いてやったと聞いて、自分だけがカオルにピアノを弾いてやれる訳じゃない事を自覚して…しかも桐島は湊が気になりつつも知ることが出来ないでいるカオルの過去も知っていると動揺する湊…。
 
 様々な事柄が次々と起こり、湊の気持ちの揺れ動く様をハラハラしながら読みました。
 1巻が起承転結で言うと、「起」だったので、2巻は「承」と最後で「転」に入った感じでしょうか。ストーリーがじっくりと丁寧に描かれているのでとてもじっくり読めている感じでした。最後の最後にカオルにとって事件が起こるのですが、それがどう次作に続くのか、今からウズウズしています。

『蜜月』
 2巻に出てきた桐島千暁と、彼がユニットを組んでいた英輔のお話。
 彼らのが初めて出会った時からユニットを解散するまでの経緯が樋口の視点から描いた作品。

 「天国~」の作中ではチラリと出てきただけの樋口でしたが、とても興味が湧きました。
 しかし正直、これだけでは二人の紹介だけでとても物足りないです!二人のその後とか是非読みたいんですが!!
 本1冊分くらいで…無理ですかねぇ。

評価【★★★★☆☆☆】
歌舞伎でホモ…
 先日テレビを見ていたら「通し狂言 染模様恩愛御書-細川の男敵討ち-」のプロモーションが流れました。

 見てたら、記者会見で染五郎が「BL」を連呼していましたが……で、後でアナウンサーが「BLとはボーイズラブと言う意味で…」と解説してくれてました…………これ、激しく居たたまれなかったのはワタシだけですか?!
 一般の席でBLを聞くのって…なんかイタイわ~。ε-(;ーωー )
 
 
 作品は明治時代の作品のリメイクらしいですが…。
 あらすじ見て興味津々です。
 江戸時代とか衆道とか好きポイント盛りだくさんなんで!!!(興奮)

 コレが小説とかなら速攻買いに行ったでしょう!
 しかし…多分(間違いなく)舞台は見に行かないです…どうも染五郎さんがなぁ…萌えないわ。
 しかも歌舞伎も見た事ないし…入門にはコレは濃すぎると思われます(苦笑)。

 歌舞伎そのものは、何時かは見に行きたいと思っています。着物着て~とか思ってるんですが、今はまだチョット敷居が高いデス。
 衆道ものも、キャスティングとかストーリー次第では見たいなぁ。


 と言う事で(何が?)、こういう雰囲気の小説もたまに読みたいなぁ…と言うのが言いたかったりして(苦笑)。時代物は大好物です!
 あ、でも切腹はナシでお願いします!切ないお話はそれはそれで好きですが、基本はハッピーエンドで!
『天国が落ちてくる(1)』 高遠琉加
天国が落ちてくる(1)高遠琉加 / 祭河ななを
二見書房 シャレード文庫
552円 (ISBN4-576-04068-5)

【あらすじ】
カオルはシンガーだ
歌うのが仕事で、声が生命線だ
だけどカオルはその声を時々奪われてしまう

 元ピアニスト志望で現在は音楽雑誌ライターの湊秋広は、カリスマ的人気と実力を誇るヴォーカリスト新條カオルのインタヴュアーに抜擢される。しかし、その貴族的ともいえる容姿と裏腹にカオルは尊大で暴虐無人で暴力的という最悪な人柄で、インタヴューも失敗に終わってしまう。ところが何を気に入られたのか、カオルに「うさぎちゃん」という愛称をつけられた湊は、再取材をエサにカオルに振り回されることに。地味で無難な人生を歩んできた湊と、恵まれた才能と容姿を持ちながらどこか孤独の影を漂わせるカオルとの出会いは…。

【感想】
 5歳からピアノを習い始めて夢はピアニストになる事、として進路も音大に進んだ湊秋広は、だが自分の中で、ピアニストになる夢に見切りをつけ、だけど音楽には関わっていたいと、今は畑違いのロックとポップスの雑誌のライターになって二年目の24歳。まだまだ新人の湊に今回上司から命じられたのは、17歳でデビューして直ぐに卓越した歌唱力と抜群の容姿で、今や18歳にして若い女性に圧倒的な人気を得ている。が、一方でTVや雑誌への露出が極端に少ない新條カオルのインタヴューだった。
 緊張しながらも向かった先では、思わぬアクシデントから動揺してしまい上手くインタヴュー出来ず…上司からは再イタヴューを命じられる。
 そんな湊に何故かカオルが懐いてきて…。
 だんだんと、親しくなっていく湊とカオルだったが…ある日、突然カオルの声が出なくなり!? しかも、これまでにも度々出なくなる事があったと言う、それは病気ではなく精神的なものらしいのだが…声の出ないカオルは何時の元気が見えなくて…そんな時、たまたま弾いた湊のピアノをカオルが殊の外、気に入った様子でそれから湊の所に入り浸る様になり…。更に床の抜けて置けなくなってしまった湊のグランドピアノをカオルの家に強引に設置させてからは、家賃と称して湊に弾きに来いと言い――。

 湊が見かけ的にはとても優しげで頼りなげな外見で実際、普段は頼りない雰囲気なのに、考え方と言うか芯がとても男前な所がツボでした。
 一方カオルは、パッと見は常に毛を逆立てた猫の様に突っ張っているけれども、本当は寂しい心が隠れている…という感じで、外見は大人びていても、その心には何か傷を持っていそう…と言うこの二人のバランスがとても心地よかったです。
 またカオルが歌手として、自分の求める“音”と、事務所やプロデューサーの売りたい“形”とのギャップに縛られ苦しむ姿や、度々起こす声が出なくなると言う発作の原因などまだまだ解決しないといけない事は盛りだくさんだけれども、作品を読んでいてこの二人なら、何とか乗り越えていけるんじゃないかな…と思わせてくれる所が残って読後感が凄くヨカッタです。
 今回は1巻と言う事で二人の関係もまだまだ友人以上、恋人未満と言う感じでしたが、とても楽しめて読めました。

『息』
 いつもの様に前触れ無く出なくなった声。そしていつもの様にカオルをマンションへ閉じこめようとする事務所の人間…しかし一人になるのが嫌で部屋を抜け出すカオル。
 そんなある日、財布を無くし雨の中を彷徨っていたカオルに声をかけたのは中国からの留学生の少女、花凛で――。

 カオルが湊と出会う直前のお話。
 と言っても湊とは、コッソリと重要なポジションですれ違ってたりして読んでいて楽しかったです。
 作中に出てきた『青春の影』の歌詞が作品の雰囲気とテーマにとても上手く絡み合っていて読後感がとてもしっとりとした雰囲気になれてヨカッタです。更に、このお話を読んで、本編を読み返すと更に味わいが増す感じでした。

評価【★★★★☆☆☆】
LAPSANG SOUCHONG更新
 ちょっと雑誌の整理が必要になったのでついでにLAPSANG SOUCHONG(雑誌目録)にも項目追加。
 後回しにしたら何時までもしなさそうだし、いい加減自分で管理が出来てないことが大いに自覚できたので。


 取りあえず一気に
          「小説ECLIPSE」
          「小説Chara」
          「小説Dear+」
          「小説BEaST」
          「小説 i's」

                      の5項目を追加しました。
 
 と言ってもまだ一部しか記載できていませんが…。

 しかし、既にその中の「小説ECLIPSE」と「小説 i's」は廃刊…(「BEaST」はビブロス倒産のどさくさで出なくなりましたがどうなんでしょ?廃刊でしょうか…)
 
 「小説ECLIPSE」は「小説リンクス」に移行したので問題無いですが、私的に「小説 i's」の廃刊は悲しかったです。(てか今でも悲しい…)

 サラリーマンや学園などの現代物以外にもたまに、ファンタジーなども掲載されてちょくちょくヒットな作品が掲載されてたり、掲載される作品の雰囲気が好みなのが多くて結構楽しみにしていた雑誌だったのです。あと木原音瀬さんの作品は「小説b-Boy」以外ではここ位でしか読めなかったので、それだけでもかなり楽しみな雑誌でした。(勿論、それ以外にも好きな作家さんや作品がありましたが!)
 あの後、オークラ出版からは「小説AQUA」が出てますが…買ってますが、正直「小説i's」程ではないデス。

 その他、シャレードやら花音やらショコラなどがあるんですが…これらは、最近ちと買うのを控えている上に、先日の掃除の時に半分以上捨ててしまったので、残りを掲載するか迷い中…。
 雑誌って捨てると後で絶対に後悔するんですよね…でも溜め込むとかなり嵩張るヽ(;´Д`)ノ

 そして、大御所と言うか外せない「小説JUNE」は…大量に有りすぎるので、後回しです。

 って、ここまで書いて、自分どれだけ買ってるんだ!?と自分ツッコミ(またか)をしてしまいましたが…漫画雑誌は何だかんだで結構すぐ単行本化されるし、絵柄等で好き嫌いが結構直ぐに判断できてしまうので、あんまり(というより殆ど)買わないんですが、小説は読んでみるまでその作家さんが好きかどうか判断できないし立ち読みできないしで…なんだかお得感(1冊で様々な作家さんの作品が読める)があるのでついつい買ってしまいます。何よりもどれだけ人気の作家さんの作品でも単行本化されるという保証が漫画に比べて少ないですし…。

 とか言いながら、結構買っただけで読んでないのが多いみたいで今回目録作りながら「この人、こんな作品書いてたっけ?」とか言いながら読み返してました(オイ)作業が進みませんよ…。
 木原音瀬さんの作品が今の時点で3作品読んでないのが発覚(驚)取りあえず「牛泥棒」「秘密」を読んで感想をUPしました。
 何で読んでないんだ?と思ったら2003年…この頃は精神的に一杯一杯で本を読む所じゃなかったなぁ…でもストレス発散に本は買ってたなぁ…と納得。買ってた自分を褒めたいと思います(買ってなかったら歯がみして悔しがったと思うので)
 その他、最近ちょっと気になっている砂原糖子さんとか、前から好きな小川いらさんとか、その他読んでいない作品が沢山あったので……気長に読んでいこうと思います(苦笑)
 
 と、語り出したら止まらなくなってきましたので、今日はこの辺りで~。
『ごめんなさいと言ってみろ』 榎田尤利
ごめんなさいと言ってみろ榎田尤利 / 北上れん
リブレ出版 ビーボーイノベルズ
850円 (ISBN4-86263-018-9)

【あらすじ】
 出版社のパーティーで出会った、少女マンガ家のリツとハードボイルド作家の久々野。初対面は最悪、再会も超バッド・シチュエーション――なじり合って罵り合って、お互いの印象はドン底だった二人だが、そんな彼らに突然コラボ企画が持ち上がった。「よりによって作風正反対のおれ達が共同作業だなんて無理無理無理!」と、かたくなに断ろうとしたリツだが…。皆様お待ちかねの大人気マンガ家シリーズ、オール書き下ろしで最新作登場!
【感想】
 椎名律は月刊誌と隔月誌の連載を持ち、月に3回の修羅場をこなすマンガ家。その作風は緻密で繊細な画風に独特の奥深いストーリーが特徴だ。そんな椎名はつい一週間前に仕事ではチーフアシスタントでもあった恋人から別れ話を切り出されてからツイテナイ事だらけ。そんな日々の気晴らしに出版社の謝恩パーティーに行けば気にくわない男、久々野と衝突してワインを胸元に浴びて服はダメになり、なのにぶつかった相手である久々野は自分は悪くないと謝罪もせず…更にツイテナイの極めつけとして前担当者で友人でもある能代には別れた彼女と二ヶ月も前から交際し、彼女が妊娠してると謝罪されて!?
 やけ酒を浴びて目が覚めたら、直ぐ横では久々野と女性との濡れ場が繰り広げられていて…。久々野とは事ある毎に様々な事で対立するが、一つとして相手は謝ろうとせず、しかもその久々野とコラボ企画が持ち上がり、久々野の現在の担当である能代とも顔を合わせなければならなくて…踏んだり蹴ったりとは正にこのこと――。

 微妙です、面白くなかった訳ではないのですが部分、部分で読んでいて楽しくない気分になってしまったのです。
 特に彼女を寝取った能代くんに関しては彼を憎みきれない気持ち、でも一緒に仕事をするのが精神的に辛い、けれども逃げるべきではないと椎名が仕事に立ち向かう姿勢は素晴らしいと思うけども…と椎名視点の一人称だったので、どうしても感情移入が椎名になるのでまるで自らにおきた事のように感じてキツかったです。
 少女漫画家としてプライドを持っている椎名に対しては好感が持てて好きなキャラだし、彼のイトコで仕事のマネージャーの麗など脇役もいいんですが、久々野の関してはキャラ的にはいいと思うんですが椎名の相手役的には…正直ツボを刺激しませんでした…個人的にこういう強気キャラ同士はあんまりだったようです。
 最後の方で椎名の能代に対する本当の気持ちが解って「…あー、なるほど」とは思ったんですが、実は読んでいる時にそちらに考えが行かなかったので、能代に関しては本当に読むのが辛かったです(解ってから読み返したら、最初よりもその辺りはマシでしたが…)。
 更にマンガ家シリーズと言う事で、どうしても他作と比べてしまうのもあったのかも…結論、私としては「きみがいなけりゃ息もできない」の方が好きです。

評価【★★☆☆☆☆☆】
不細工特集
 リブレ出版のサイトで新刊予定をチェックしてたら8月20日発売予定のアンソロジー・Phoenixの今回の特集は『不細工特集』だそうで。。。


 すっごく気になります。



 かなりツボな特集だわ~。でもアンソロジーって場所取るからなるべく買わない様にしてるんだよなぁ~~~。
 と気持ち的には自制モードに入りかけましたが………何と執筆に木原音瀬さんがいらっしゃるらしい!!

 と言うことで(何が?)簡単に購入決定!
 今まで買ったことのあるのは「オヤジ特集」とかな辺り、好みがイマイチ偏り気味なのは自分で突っ込んでおきます。
『サウダージ』 華藤えれな
サウダージ華藤えれな / 円陣闇丸
幻冬舎 リンクスロマンス
855円 (ISBN4-344-80818-5)

【あらすじ】
 灰暗い照明、物憂げなアルゼンチンタンゴの音色――。行方不明の兄を捜し、ブエノスアイレスへやってきた朔弥。わずかな手がかりを頼りに訪れた店で兄を知る男と出会う。レオンと名乗る端整な容貌のその男は、情報と引き換えに朔弥をタンゴに誘う。強引に踊らされ、兄がマフィアに追われていることを知るが、実はレオンこそが兄を狙うマフィアだったのだ。
 自分と兄の命をたてに朔弥は服従を強要され、レオンに身をまかせるようになるが……。

【感想】
 小さい頃から、両親の経営する小さなバーで流れるタンゴやサルサの音楽と、そこに集うアルゼンチンからの出稼ぎ労働者達からスペイン語を聞き覚えた志塚朔弥は、しかしそのバーを麻薬の密売現場にしていた客のとばっちりからバーを閉めざるを得なくなったにも関わらず、彼らを恨もうとしない人のよい、何処か夢見がちな両親に歯がゆさを感じて育ち…彼らそっくりの性格で両親から愛された兄・幸成と、全く異質な性格の自分に対してコンプレックスを抱きつつも負けず嫌いの性格から人一倍前向きに努力し神奈川県警で麻薬を取り締まると言う仕事をしていた。
 しかし両親の死により長年、音信不通だった兄を捜すために訪れたブエノスアイレスで、兄の働いていたと思われるバーに訪れた朔弥を待っていたのはレオンと名乗るラテン系の男性が持つ妖艶な色香を放つ男で…しかも彼は幸成を裏切り者として追うマフィアのNo.2だった。
 幸成の命を救う代わりに出したレオンの条件は「お前の全てを捧げろ」と言う思いもしない物で――。

 男同士でタンゴを踊ると聞いただけで、艶めかしい色香を感じるのは何故でしょうか。(そういや、昔そんな雰囲気を感じて某映画を見に行って、想像していた内容と違って、酷くガッカリした記憶がありますよ…まんまと踊らされました・笑)
 今回のテーマは「ラテンエロス」との事らしいですが、その点は存分に披露されていたと思います。また日本の警察官が海外に行って、現地のマフィアに監禁・調教されると言うのも妙にツボでした。
 更に話の内容として、朔弥と幸成の兄弟の間にあった気持ちのすれ違い。朔弥の兄に対して過去に言い放った言葉への後悔等々、兄弟間の確執も物語に織り込まれていたのも読み応えがありました。
 その上レオンを狙う刺客が現れて、マフィアの組織内での抗争の真犯人が最後まで誰なのか!?と言う謎解きもあったりと様々に楽しませてくれる作品だったと思います。
 ただ、敢えて難を言うなら(言うなよ)上記のネタが豊富すぎて、最後の方が少し慌ただしかった気がしたのは勿体ないなぁと思いました。ガッツリ二段組みとかで読みたい作品でした。

評価【★★★★☆☆☆】
『予想外の男』 愁堂れな
予想外の男愁堂れな / 高宮東
竹書房 ラヴァーズ文庫
571円 (ISBN4-8124-1809-7)

【あらすじ】
 「…好きですよ」「馬鹿か」
 何度拒否してもこんな会話の繰り返し。
 岩永は本社転勤になって、昔の訳ありの知り合い、御木本と再会する。
 女性顔負けの美貌を持つ御木本は、昔と変わらず、可愛らしい笑顔を振りまいて懐いてくるが、岩永は戸惑っている。
 ふたりの間には今でも思い出したくない過去があった。それが原因で気まずい状態のままあわなくなり、お互い後悔の日々を送っていたが、御木本の後悔は岩永とはまったく違っていて…。

【感想】
『予想外の男』
 岩永陽一郎は、上司との軋轢から広島支店に飛ばされてから苦節三年、晴れて本社に復帰できた。その理由はたまたま広島に出張で来ていた本社の部長の目に留まったと言うが…。
 何はともあれ三年間、待ち続けた本社への帰還。気を引き締めて臨んだ部署で、部下として再会したのは七年前に一ヶ月だけ家庭教師をした生徒だった御木本で…。
 その再会は岩永に七年の間、忘れようにも忘れられなかった恥ずかしい過去を呼び覚まして――。

 可愛い顔に華奢で細身の体付きに、大胆で図太い神経を持ち、高校時代から激しい男漁りで慣らしたバリタチの攻×男臭い顔立ちに攻よりもがっしりとした体付きで性格も生真面目な上司の受と言う、何ともオイシイ設定のお話でした。
 何よりも御木本の可憐な見かけとはかけ離れた押しの強いアプローチに、訳も解らないまま流されてしまう岩永の方が、よほど体格がいいと言うのが私的にツボでございました。
 こういうギャップものは大好物です。
 話の展開としてはベタな感じでしたが、キャラが生き生きとしていて話のテンポもよく、十分楽しめて読めました。

『ゴルフレッスン』
 『予想外の男』のその後。
 部内のゴルフコンペが近々あるのに備えて、御木本がゴルフをしたことがないと聞いた岩永が、何時も何かと負けている御木本に、得意のゴルフで上位に立ってやろうという下心から「教えてやる」と言う口実の元、二人して平日にゴルフに出掛けるが、ゴルフ場には御木本の知り合いがいて――。

 イチャイチャしてました。
 岩永がいい具合に流されちゃってて思わず笑ってしまいました。ほのぼのとしていてよかったです。

『セックスライフ』
 『予想外の男』の七年前。
 岩永が家庭教師を辞めて直ぐの御木本の心情。
 ちょっぴりしんみりしていましたが、最後にはラブラブな感じになるので安心して読めます。
 前2編が岩永視点だったので、御木本視点のお話も読めて嬉しかったです。

評価【★★★★★☆☆】
『アット・ハート』 松永也槻
アット・ハート松永也槻 / 高久尚子
幻冬舎 リンクスロマンス
855円 (ISBN4-344-80209-8)

【あらすじ】
 顔立ちは整っているが、雰囲気が地味な劇団俳優の中園慧輔は、ひとまわりも年上で、天才的な演技力をもつ人気俳優・浅居祐刀と恋人関係。浅居に強引に口説かれて始まった同性も早二年になる所だった。
 そんな折、浅居の息子がTVの制作発表会で『小劇団あがり』と浅居をこきおろす。激昂する浅居と複雑な心境の中園だったが、その子供が突如現れ、一緒に暮らすことになり――!?
 全編書き下ろしで登場!!

【感想】
 演劇界では知る人ぞ知ると言うカルト的な人気を誇る劇団「グットラック・コイン」。知る人ぞ知ると言う事は知らない人は知らない劇団で俳優として10年以上過ごしてきた26歳の中園慧輔は、雰囲気も地味なら演技も地味で、中途半端に整った容姿は逆に芸能の世界では目立たない存在だ。
 しかし、そんな慧輔が同棲をしている同じ劇団の浅居祐刀は全く逆の存在。真っ正面から見たら目が潰れそうな程のハンサムで、一目で解る芸能人オーラを放ちまくり、劇団の看板役者として意外にもテレビなどにも頻繁に顔を出し。36歳の今では高額納税者芸能人部門のトップに位置する売れっ子。
 そんな浅居の演技に憧れて演劇の世界に入った慧輔だが、付き合い出したのはこの二年ほど。二人の同棲生活も穏やかに過ぎて言っていたが、ある日突然浅居の息子と同居することになって――!?

 エクリプスロマンスから出ていた『アット・ホーム』の続編になるそうなんですが、そちらを読まずに読みましたが、十分に楽しんで読めました。
 まず、慧輔の地味さは自分を過小評価してる地味さが多分に出ていたのが面白かったです。自分ではイケてると思ってる服装を『変装』と言われてしまうほど、私服がオタク臭いのが何とも…ツボでした(笑)
 まぁ、見た目と同時に性格も控え目で趣味もオタク気味なんで、全体から醸し出されてる雰囲気なんでしょうが…普段は芸能人には全く見えませんでした(苦笑)。
 一方の浅居は演技と言う才能が無ければ、ちょっと…と思えるほどの人格破綻者ぽくて、自分の子供よりも子供っぽい所のある36歳の売れっ子俳優…しかし、演技は神業と言うのも面白かったです。
 二人の生活に入り込んできた息子の彰刀君も最初は生意気な子だなぁ…と思っていたら、読み進めていく内にだんだんと可愛くなってきて、登場人物が全員生き生きとしてよかったです。
 ストーリーは慧輔視点で進みますが、各所にプッと笑わせてくれるシーンが織り込まれていて終始楽しんで読めました。
 勿論これ一冊だけでも楽しめましたが、物語の端々で出てくる前作のエピソードが大変気になったので、前作も是非読みたくなってしまいました。

評価【★★★★★☆☆】
『ギャルソンの躾け方』 榎田尤利
Amazonへ飛びます榎田尤利 / 宮本佳野
徳間書店 Chara文庫
533円 (ISBN4-19-900404-1)

【あらすじ】
 大財閥グループの御曹司・篠宮は、自慢のカフェの経営を楽しんでいる。そんな彼に共同経営を持ちかけられた水樹。小さな珈琲店主の水樹は、ネルドリップの天才で勝ち気。余裕のある紳士然とした篠宮が気に入らず猛反発!
 そんな水樹を篠宮は「君には躾が必要ですね」と柔らかだが、否とは言えない口調で追い詰めてきて!?
 お仕置きは愛の証♪センシティブLOVE。

【感想】
『ギャルソンの躾け方』
 『石花珈琲店』は藤井沢周辺で最も古い喫茶店だ。カウンター関だけの小さい店だが代々地元に愛され、遠方からもそのコーヒーの味に魅了された人々の訪れる店だった…以前は…現在の三代目・石花水樹には店に対して全くやる気が見られない…。
 それもその筈、10歳にして母を亡くした後、有る出来事から父を激しく憎むようになった水樹は、高校を卒業すると直ぐに家を出て、父とは音信不通の生活をしていたからだ…。しかし父が卒中で倒れたと連絡が入り不本意なまま店に経っている水樹にやる気は見られない。水樹の激しいチェーンスモークによって店は黄ばみ、やに臭くなり…今では近所の数少ない常連が訪れるのみ。
 だが、祖父直伝のコーヒーの味だけは手を抜かず、何時も最高の味を提供している。
 そんな水樹の前に現れたのは最近、藤井沢駅前にOPENしたカフェ『ruffle』のオーナー店長の篠宮。彼は水樹のコーヒーの味に惚れたとスカウトしてきて…断ると金銭的に苦しい水樹を断ると共同経営、果ては資金援助まで申し出てきて――!?

 水樹の中にある父への憎悪、その原因となった事への心の傷…それらを持て余しながらも、父の店を継いでいる。相反する気持ちに揺れ動く様子がとても上手く描かれていたと思います。
 お父さんに対して、とても残酷な言葉を並べる水樹が、何故そこまで父を憎んでいるのか…またそうであるなら何故、憎い父の大切にしている店を守っているのか…。そういった不可解な水樹の行動が物語りを読み進める内に徐々に理解できてくるのですが、最後には水樹の中に、傷ついた少年が居るのを感じられて、その子が少しずつ癒されていく様子が感じられてヨカッタです。(でも作中は水樹の切なさが伝わってきて、途中少し泣けてしまいました。)
 水樹のお相手の、お金持ちの篠宮については…どうも私的に少し好みから外れていたようで…あんまりコメントはありません…(苦笑)。今作は主役はあくまで水樹で篠宮は明和規約なイメージでした。

『ギャルソンの騙し方』
 『ギャルソンの躾け方』の続き。
 父との関係も取りあえず折り合いをつけられた水樹は『石花珈琲店』の店長の座を父へ譲り、今は交代で店に立ちながら、週に四日は『ruffle』でチーフとして働いている。
 今までコーヒーを入れる事に関しては自信があるが、それ以外の経理などは素人同然…こんな自分が共同経営者でよいのだろうか…と悩む水樹に篠宮が新たに依頼してきた仕事は、新人の教育で、最初は自分にちゃんと指導できるのかと不安になった水樹だが、この新人・林恭一は挨拶はいいのだが、配膳をさせれば皿を落とし、厨房にまわせばむしろ邪魔と、何をやらせても失敗だらけ…本人にやる気はある様だが全て空回りの人物で…けれど少しでも『ruffle』の、ひいては篠宮の役に立ちたいと一生懸命、親身に指導する水樹だが…。
 そんな折り、藤井沢駅周辺には立て続けにコーヒー店が出店し、中でも『manor house』は『ruffle』と雰囲気が似ていて――。

 表題作ほどのインパクトはなかったですが、それでも水樹の健気な所が満喫できました。
 話が進むたびに水樹が可愛く思えてくるのは、篠宮の普段は紳士然と温厚な人物で、しかしその実ベッドではサド…の相手だからでしょうか…でも何故か、この篠宮が私のツボを全く刺激しなくて…前作に引き続き、やっぱり影が薄かったです(苦笑)
 所で、あとがきを読んで初めて気が付きましたが、この作品「藤井沢商店街シリーズ」というシリーズ作品だったのですね。前作2作とも読んでいたのに気付かない自分に少し呆れました…。

評価【★★★★☆☆☆】
Copyright © 2004 Powered By FC2 allrights reserved. template by kayoEgawa
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。