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梅花の茶園
HP(梅花の園にてティータイム)の更新日記や、BL・JUNE作品・ライトノベルズ等の感想や日々の徒然を思いつくまま書いております。
『炎砂と暁の王子』 上原ありあ
炎砂と暁の王子上原ありあ / 成田優季
心交社 ショコラノベルズハイパー
850円 (ISBN4-7781-0030-1)

【あらすじ】
 喫茶店で占い師として働く鷺沼悠真は、サファイと名乗るアラブ風の衣装を纏った美貌の男に声をかけられる。サファイは、中東の専制君主の国――ムクタディル王国の王位継承者。未来を見通す力を持つラスールの末裔である悠真を、捜しに来たのだと言う。覚えのない悠真は必死に抵抗するが、半ば強引に連れ去られてしまう。そして、神の幸いをその身に宿すラスールは、聖娼として千日、抱かれるのが役目だと言われ、サファイのとろけるような愛撫に悠真は翻弄されてしまい……。
 灼熱の大地で燃え上がるドラマティック・ラブ!

【感想】
 鷺沼悠真は去年大学を卒業した23歳、だが現在は希望した職に就けず、何となく始めた占いのバイトで食いつなぐ日々。
 何とか希望の職に就くまでは、と今日も喫茶店の一角で占い師として仕事をしていたが、そんな悠真の前に現れたのがアラブ系の顔立ちの金髪金瞳に浅黒い肌、真っ青な正装用の衣装を纏った男で。彼は自らをムクタディル王国の王位継承者・サファイと名乗り、悠真を迎えに来たと言う…。
 サファイ曰く、ムクタディル王国の王位を継ぐ者には“見通す者(ラスール)”と呼ばれる予知者、国の国家的な儀式には欠かせない者であり、王の指針となる者を持つ決まりがあるが、最近ではその立場も形骸化されていると言う。しかしサファイは真のラスールを求め、独自に調査した結果、最後のラスールと呼ばれたムクタディル王国の王女にして伝説のラスール・サミーラ姫の血を受け継ぐ悠真を見つけだし、是非とも自身のラスールとして迎えたいと言うが…その要請は殆ど脅しとも言えるもので――。

 設定が面白そうだったので購入。
 世襲ではなく実力で王が決められるため、王位継承者が四人居て、それぞれがラスールを持っていると言うのはなかなかに面白い設定でした。
 またサファイと同じ王位継承者の一人ザイードの軟派っぷりや、後宮に入れられた悠真の小姓頭の少年イブン君など主人公以外にも魅力的なキャラが出てきたのも好感触。
 ただ…ラスールについてとか王位継承についてとか話が、色々と広がって出てきた割にはそのどれもが中途半端に終わっちゃってた感が残ってしまったのが残念。結局、悠真はラスールとしての力が有ったのかもいまいち解らずじまいだったし…。
 まぁ、悠真がサファイと相思相愛になれたらそれでハッピーエンドなんでしょうが、私としてはもう一波乱あってもよかったなぁ…と物足りなさが残ってしまいました。

 因みにカップルとしては主人公としてよりも、ザイードとそのお相手の方がツボだったりしました。

評価【★★★☆☆☆☆】
『陵辱と純情にゆれる獣』 秀香穂里
陵辱と純情にゆれる獣秀香穂里 / 稲荷家房之介
白泉社 花丸ノベルズ
838円 (ISBN4-592-86261-9)

【あらすじ】
 大手広告会社のディレクター直井佑一は、強い出世意欲を持っていた。クラブで見た逢澤貴久のフィルムに惚れ込み、新規プロジェクトの映像制作を依頼する。だが逢澤が要求したのは、氷の美貌と呼ばれる直井の身体だった。直井は仕事のために仕方なく、逢澤が独りで隠れるように暮らす軽井沢の古い洋館へ通う。週末ごとに奔放で濃厚な時をすごすうちに、傲岸な態度の裏に隠された逢澤の繊細さに触れて直井は……!?_

【感想】
 直井佑一は34歳の若さにして、広告業界大手の「フロントエッジ」で広告制作の中でもトップにあたるクリエイティブ・ディレクター(CF)として辣腕を振るっている。
 そんな彼がある日、部下の誘いで訪れたクラブで流されていた映像に魅了される。もともと映像を作る側だったが、自らの才能に限界を感じて作る側からプロデュースする側にまわった直井は、しかしその作品を見て「自分にもこういう映像を作ってみたかった」と強く思い…そのフィルムを作った映像作家・逢澤貴久に興味を持ち、是非とも今進めているプロジェクトの映像をとコンタクトを取るが、逢澤は電話にすらろくに出てくれず…。
 何度も連絡し続けて、ようやくアポイントを取り付け、逢澤の住む軽井沢へと出向くが…そこで逢澤から出された条件は、プロジェクトが完成するまでの二ヶ月間、直井を抱かせろと言う思いも寄らないもので――。

 自分の才能に見切りをつけつつも、誰よりも映像への思い入れのある直井、逢澤の作品に胸を焦がすほど惹きつけられると同時に、自分にもこれだけの才能があれば…と歯ぎしりする程に強い嫉妬心を抱く…。
 直井の最初は逢澤への…やがて逢澤自身へと注がれる好悪両面が混在する複雑な想い。そしてそんな想いをしのいでしまえる程の彼の作品への執着など、読み応えは抜群でした。
 作品中に織り込まれた映像という世界のお話や直井と部下の関係やプロジェクトの進行という所も読み応えがあり、取り分け最初はお互いに喧嘩腰だった直井と逢澤の距離がだんだんと近づいていく様子などなど、色々な面で楽しませて貰えました。
 花丸レーベルはもともと軽めの作品の多い文庫よりも、二段組でガッツリ読み応えのあるノベルズの方が好きで、今回も「花丸ノベルズだから…」と購入しましたが、大変満足致しました!

評価【★★★★★☆☆】
『愛されてお仕置き』 伊郷ルウ
愛されてお仕置き伊郷ルウ / カワイチハル
海王社 ガッシュ文庫
562円 (ISBN4-87724-543-X)

【あらすじ】
 美形恋愛小説家・桐嶋玲音の住み込みハウスキーパー・千裕は、実は彼の恋人。「お仕置き」と称しては愛あるエッチをされる日々。ときには飼い猫の見ている前でなんて…恥ずかしいっ。でもある日、猫を怪我させてしまい、愛猫家の玲音に嫌われたと落ち込んでしまう。しかも、猫を診てくれる獣医の都筑は、なぜか千裕をにらんでくるが、玲音にはやたらと親しげな様子。その上、玲音の本当の恋人は自分だと言ってきて…。玲音と千裕の今の熱愛ぶりは嘘だったの!? ラブラブな番外編つき♪

【感想】
 桐嶋から愛を告白され、戸惑い、困惑しながらも、同じ気持ちで居る自分に気が付いた千裕は、紆余曲折ありながらも彼を受け入れた。
 ただ、桐嶋を受け入れた気持ちとは別に、相手が同性であると言う事は千裕にとってどこか後ろめたくて…極力周りには秘密にしたい事でもあったが…そんな折、怪我をさせてしまった猫の往診に来た獣医の都筑からは冷たい態度を取られ続けて…その態度に何処か不自然なモノを感じたが――。

 またもや猫に釣られて購入(苦笑)。
 いやー、10匹のお猫様は想像するだけで楽しかったです。
 って、本題から大きくずれてますね;…本筋に関しては、うーん…どうも読み進めていくウチに玲音も千裕も“男っぽさ”みたいなのがどんどん見えなくなっていく感じで、私としてはチョット物足りない感が残ってしまいました。
 玲音にソックリな獣医のお兄さんやら、都筑など面白そうな新キャラが出てきた割には話もそんなに波乱がなく、無難にまとまりすぎてた感が残ってしまったのも残念。

評価【★★★☆☆☆☆】
『くちびるに銀の弾丸』 秀香穂里
くちびるに銀の弾丸秀香穂里 / 祭河ななを
徳間書店 Chara文庫
533円 (ISBN4-19-900279-0)

【あらすじ】
 ゲーム会社に勤める澤村は、自他共に認めるヤリ手広報。次の担当は、鳴り物入りで移籍してきた業界トップのディレクター・水嶋の新作だ。高いプライドと端整な美貌をもつ水嶋に、一目で興味を持った澤村。けれど彼はなぜか澤村にだけ冷たい。この男を組み敷いたら、どんな顔をするだろう…。澤村は好奇心から無理やり抱いてしまう!!
 ところが水嶋はその腕を拒まずに!?

【感想】
 澤村朗は様々な女性と一晩かぎりの軽い関係を持ち続けてきた。女とのセックスに全く責任を感じたことはない。
 しかし、仕事の面では度胸のよさと、まめな対応、笑顔を徹底的に自らに課して企画広報としては同期より頭一つ出世していると自負している。
 そんな澤村が新しく受け持つことになったゲームのディレクター・水嶋の新しい企画が、期待していた内容よりも地味な物である事に落胆をかくせず、ついつい最初の顔合わせの時に溜息をついてしまい、それを運悪く水嶋に気付かれてしまう。以来、どうも水嶋の態度が他の同僚に対するより、自分だけがあたりがキツい気がしている。嫌われているかもと思っていたが、ある時、水嶋の視線から自分に対する好意を感じ取り…同性に対する興味本位から澤村は水嶋と付き合おうと誘うが――。

 真面目で誠実な水嶋が、ロクデナシで不誠実な澤村に翻弄されていた筈が、だんだんと澤村が水嶋に惹かれて行っていた…というのが、とても説得力があって読み応え抜群でした!
 またゲーム会社が舞台と言う事で新しいゲームを作っていく様子と、澤村と水嶋との関係の進展があわさって読み応えになっていたと思います。
 澤村視点で話が進むのに、この澤村が酷い奴で気持ち的には水嶋に同情してしまいました…なにもこんな奴を好きにならなくっても…って(苦笑)
 今回、続編が出たので慌てて読みましたが何でもっと早く読んでなかったんだろう!と言うのが読み終わって最初に思った感想でした。

評価【★★★★★☆☆】
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